「オレ達は無敵さぁ」「なぜなら」「世界一強い信頼で結ばれているから」
キメラ=アント編に登場した魚人のような姿の兄妹蟻。
登場タイミングとしてはイカルゴとほぼ同タイミングのポッと出、それも師団長ですらない。
…にも関わらずあのキルアをほぼ殺したに等しい状態にまで追い込むというポッと出にしてはあまりにも強すぎたオロソ兄妹について。
人物像
前述の通りザ・魚人な見た目の男女のキメラ=アント。
ダーツを得意とする兄、それを拍手しながら応援する妹と兄弟仲は良好。
多分生前から兄妹だったんじゃないかなと思われるがその辺の詳細は一切不明。
作中ではただひたすらダーツをしている姿が描かれている。
2人とも洋画にでもいそうな顔立ちをしているがどこか芝居めいた台詞回しも映画の中の登場人物のようで兄妹揃ってなんとなくナルシストっぽい雰囲気を纏っている。
そして兄弟仲良くダーツをしていると思えば敵を仕留めるのに失敗すれば妓夫太郎と堕姫みたいなしぶとすぎる罵り合いもする。
HUNTER×HUNTERに炭治郎はいないので誰もこいつらの醜い罵り合いを止める者はいない。
経歴
2000年5月頃
キメラ=アントとして誕生。
レオル(ハギャ)の下で活動。
おそらくネフェルピトーの命令により授与式に参加しこのタイミングで念能力に覚醒した思われる。
2000年6月頃
王の誕生・旅立ちに呼応するようにレオルも巣から旅立つ。
この際オロソ兄妹もレオルについていった可能性が高い。
また、レオルがハンターに敗北したことをきっかけに王が拠点を構えている東ゴルトー共和国にレオルらと共に逃げ込んだものと思われる。
この際に自身の能力ダツDEダーツをシャウアプフに授けてもらった可能性大。
2000年7月中旬頃(国民大会まであと8日)
ネフェルピトーの邪魔をする何者か(キルア)を倒すため出撃。
イカルゴの誘導により地底湖に落ちてきたキルアにコバーンが能力発動条件となるバッヂを付着。
ダツDEダーツによる攻撃を開始。
しかし能力と経験に基づいたキルアの死んだふり作戦に引っかかり、死体を確認しにきたところを兄妹揃って首を手刀で斬り落とされてしまう。
汚い鬼滅の刃の如く首だけの状態でお互いを罵り合っているところにイカルゴがやってくるもイカルゴはキルアだけを救いオロソ兄妹を放置。
明確な描写は無いもののそのままどこかのタイミングで力尽き兄妹揃って死亡したものと考えられる。
戦闘力
殴ったり云々だけの話で言えば多分そんなに強くはない。
ただしあくまで「キメラ=アントの中では」という条件付きだが。
とはいえ蟻は蟻なので当然普通の人間と比較して肉体のスペックは高いものと考えられるが遠距離から相手に確実にダメージを蓄積させるタイプの能力を使っていることから面と向かっての戦闘はかなり苦手なんじゃないかなと思う。
例えば銃火器を所持した相手だとかそれこそ念能力者相手だと直接の戦闘を行ったら勝ち目が薄いからこその能力チョイスかなと。
もちろん「兄妹」、「ダーツ」という自分達の武器を存分に活かすために選んだ能力というだけで直接戦闘は実は鬼のように強い可能性もなくはないが…描かれた範囲内で確認できるのはキルア(瀕死)の不意打ちに一撃で二人とも沈む光景だけなので可能性は低い。
キルアの不意打ちでやられない奴は作中だとかなりの上澄みだとは思うけど…
個人的な印象としては多分直接戦闘という意味ではあまり強くは無いだろうなというところ。
能力
「これがオレ達の無敵の能力!!」
系統不明
能力名: 死亡遊戯
能力を簡単に説明すると「敵の体をダーツの的扱いする能力」。
これだけ聞くと弱そうに聞こえるかもしれないがとんでもない。
自信満々にニヤついていた本人達の態度が舐めてるわけでもはったりでもないことがわかる程度には強力な能力である。
能力の流れは以下の通り。
①妹が念で創り出したバッジを敵の体に付着する(本人達の手でつける必要はない)
②バッジをつけられた敵の体がダーツゲームとリンクする。(敵の体の各部位とダーツの的がリンクしている状態)
③兄が的に向かってダーツを投げると当たった箇所とリンクしている部位に具現化された念魚が刺さる。
オロソ兄妹らは敵から離れた場所でダーツの的に矢を投げているだけで確実に敵にダメージを蓄積させることが可能という発動さえしてしまえば無敵の能力。
この能力の恐ろしい点は念魚は敵の体に刺さるまで実体化しないところ。
刺さる手前から実体化するのではない。
刺さった瞬間から実体化する。
つまり回避不可能ということである。
(刺さる瞬間まで姿も見えないしオーラで感知することも不可能)

あのキルアすらこの絶対不可避の能力の前に失血死寸前まで追い込まれている。
(というかイカルゴが助けに来なかったら死んでたので実質相討ち気味とはいえキルアを倒しているに等しい)
だが相応のリスクはある。
ゲームを決めるための最後の一投をバーストしてしまった場合、それまで敵に与えたダメージがオロソ兄妹に跳ね返ってくる。
つまり自分たちの命も懸けた能力と言えるだろう。
これは兄が「命懸け」と語っていることからもかなり致命的なダメージが返ってくることが予想される。
また、そもそもの話ではあるがバッジをつけなくちゃいけないところも難易度が高い。
作中ではコバーンという小型の蟻がこっそりとキルアにバッジをつけたことで能力の条件が満たされていたがああいう混沌とした状況下じゃないとあんなでかいバッジをつけるのは難しいだろう。
それこそ「ボマー」と言いながら対象に触れるより難しい。
系統は不明だが…
おそらくではあるが放出系能力者と具現化系能力者による相互協力型の能力じゃないかなと考察。
「妹が創り出したバッジ」という表現から妹が具現化系能力者でバッジと念魚の具現化を担当。
そして兄は放出系として攻撃を当てる担当。
強力な能力だがオロソ兄妹(主に兄の方)のダーツへのこだわりの強さや兄妹による協力前提、命を懸けていることなどあらゆる要因が重なっていることにより能力の強度がかなり押し上げられていると思われる。
兄自身のこだわりではあるがダーツの公式ルールを遵守することも無自覚に設定されている必須条件じゃないかなと思う。
じゃなきゃ敵をダーツの的とリンクさせた時点で頭部を貫いてしまえば自分たちに返ってくる可能性のあるダメージをわざわざ蓄積することもなくローリスクで敵を排除可能になってしまうし。
無敵の能力と自負するだけあってかなり強力だがその背景には本人達の資質だったり技術だったりリスクだったりいろんなものがしっかりと乗っかった上で成立している高度な能力である。
念能力者同士の闘いはオーラの多寡のみでは決まらないということを見せてくれたいい能力だと個人的には思う。
キルア以外に防げるやついたのか問題
そして発生する疑問。
作中ではキルアがなんとかしたけど他のキャラがオロソ兄妹に狙われていたらこの厄介極まりない能力を防ぐことはできたのか?だ。
キルアの取った作戦はいわば死んだふり。
オロソ兄妹の能力をダーツと見破りそのゲーム内容も即座に把握
↓
点数を計算しながら残り40Pになるまで念魚の攻撃に耐え続ける
↓
残り40P以下になったタイミングでオロソ兄妹が最後に投げてくるであろう額に左手を構え待機
↓
この際自身のオーラを電気に変化。オーラが念魚を感知した瞬間に直接左手の神経に「掴め」という電気信号を送るように操作。
↓
具現化された念魚を一瞬でキャッチ。念魚の先端部分を切り取り事前に入手しておいたイカルゴの吸盤と組み合わせ自分の額に念魚が本当に刺さっているかのように死亡偽装。
↓
自分の死を直接確認しにきたオロソ兄妹をまとめて奇襲。瞬殺。
これらをクリアできたのはキルアがそもそも
上記の条件をクリアしていたからこその逆転劇である。
もしこの時キルアではなくゴンやナックル、モラウなど他の討伐軍メンバーが狙われていたら果たして対処できたのか。

死亡遊戯は発動して仕舞えばオロソ兄の失投以外ほぼ付け入る隙がない。
まず能力発動後どれくらいの速さでダーツと気付けるかどうかが重要だがそういう意味ではゴンがダーツを知ってるとも思えないので少なくともゴンは死亡遊戯の猛攻を浴びることは確定だろう。(その結果死ぬかどうかはともかくズタボロになることはほぼ確定だと思う)
他のメンバーなら個人差はあれどいずれ気づいてくれる気はする。
しかしダーツと気づいたとしてそこからキルアのようなやり方で逆転をできるメンツはこの中に1人もいない。
最後の一投に狙いを定め念魚が実体化した瞬間キャッチするなんて電気能力持ちのキルアだけに許された唯一のやり方だ。
そうすると他のメンバーは本体を叩くしかない。
オロソ兄妹の攻撃を受けながらこれを冷静にこなせそうなのはモラウとノヴだがこの2人すら無傷で済むことはまずないだろう。
まず一投目はほぼ確実に食らうことになる。
あとはどれくらい早く能力の概要と対応策に行きつき行動できるか、それまでに溜まっているダメージが許容範囲内に収まっているかの問題になる。
少なくとも最後の一投まで待ち続けたキルアは立つのもやっとのギリギリまでダメージが蓄積している。
あのキルアがだ。
(しかもオロソ兄妹の本体は水中の中にあるため本体のところに辿り着くには穴だらけの体で水中に飛び込むしかないという悪質っぷり)
ただ一つの光明として対象の肉体スペックに応じてその威力が軽減される可能性がある。
死亡遊戯は念魚が刺さり始めた瞬間に実体化しその肉体部位を貫通する。
そう、「刺さる」。
これは不可避だ。
しかしその後の念魚の「貫通」は確定とは明言されていない。
キルアは刺さり始めた瞬間の念魚キャッチを実現した。
で、あるなら刺さった念魚が貫通しきらずに筋肉の途中で止まることもあるのではないか?
こう考えると筋骨隆々なモラウであれば比較的低めのダメージで済む可能性がある。
ここで少し脱線するがこの理屈が通るのであればメルエムや王護衛軍にも死亡遊戯が通用するとは言い難い。
対象の肉体スペック次第でダメージの度合いが変わるのであればそもそも分裂しまくりのシャウアプフには無風に等しいしピトーやユピーの体に念魚が刺さったとしてそれが貫通するほど食い込むとは思えない。メルエムなら尚更だ。
(そもそもあいつらの額に念魚が刺さったところであんまり意味がないような気がする。それでも護衛軍や王にかすり傷をつける可能性があるだけかなりすごいことだけど)
つまりキルアくらいの肉体なら致命傷ダメージを与えることが可能だが少なくともキルア以上の肉体的強さを持っている者、もしくはプフのような肉体への直接攻撃の効果が薄くなる能力を持っている場合にはその殺傷力は大幅減となるだろう。
と言う考察。
まあでも前述の通り発動してしまった場合、度合いに差は大きくあるだろうが無傷ということにはならないだろう。
というかキルア以上の肉体って作中でもかなりの強キャラ達しか残らないのでキルアを三途の川の手前くらいまで運んだだけでもかなりやばいんですけど。
つまりモラウとノヴなら能力をダーツと見抜きその上で攻撃を受けながらも冷静に本体を探し出し叩くことが期待できる。
特にモラウは筋肉量がかなりあるため念魚の貫通ダメージを他のメンバーに比べ軽減させられる可能性が高く、また戦闘から撹乱、探索なんでもござれな応用の効く良い能力もあるのできっちりと対処してくれるだろう。
ノヴも筋肉量の差からモラウよりはダメージ量が多くなる可能性はあるものの何とかしてくれそう感がすごい。
(空中飛んでるフラッタを何故か叩きのめしてるしなこの人…)
そもそもまず能力の発動条件を満たせるのか?と言う観点からモラウとノヴ相手には条件をそもそも満たせない気がする。
ゴン、ナックル、シュートであればキルアと同じような混戦状態に持ち込めばバッジはつけられそうだがモラウとノヴ相手の場合そもそもあれほどの混戦を起こせるのか?と言う意味でも結構厳しいんじゃないかなと。
起こせたとしてバッジつけさせてくれるかなあこの2人…
とまあ纏めるとめちゃくちゃ強い能力だしそこそこの使い手には致命的なダメージを負わせることが可能だが手練相手にはそもそも能力条件を満たすことが難しいし出来たとしても相手の肉体スペック次第ではちょっとした傷しかつけれない場合もあるのでは?ということ。
そしてそれらを前提に想像すると…
ゴン・ナックル・シュートは十分食われる可能性があるがモラウ・ノヴくらいになるとそもそもバッジをつけれないんじゃないか?
そしてこの2人相手に死亡遊戯を発動できたとしても、そこそこのダメージを与えることは出来てもキルアくらい追い詰める前に討伐されそうな気がするという結論が生まれる。
というわけでゴン、ナックル、シュートはいけるかもしれないけどモラウ・ノヴは厳しそうというモラウとノヴへの評価が高すぎるかもしれない贔屓気味な答えに辿り着いてしまった。
とはいえあくまでも個人的なイメージに過ぎないのでご容赦を。
念魚が刺さり始めるところから実体化するんじゃなくて肉体の貫通が確定ダメージで入るとかならかなり話が変わってくるんだけどそれだとあまりに強すぎるしキルアはこの世にいない。
でもまあシリーズの決戦でもなんでもない所で出てくるには強敵すぎる能力だと思います。
念の戦いはこれだから怖い。