-恐怖こそが、新たな信仰。-
速い!!
最近の三部作ってやつは何年も待たせてくることもあるのに、前作から一年も経たずに公開!?
どうなってんだ…
ありがてえ…
と、観てきました。
28年後の2作目。
白骨の神殿!!
タイトルの時点でビンビンに伝わるケルソン先生の霊圧。
予告やキービジュアルも全力でケルソン先生がケルソン先生してて最高。
肝心の内容も最高でしたね。
ただこれは賛否が分かれるだろうなとも。
シリーズで一番きついグロ描写が中盤くらいまで襲ってきて内容も感染者との攻防よりも人間同士の対立にストーリーの重きが置かれているので従来のゾンビ映画で見られるようなゾンビサバイバルものを期待している人は前作以上にそれとはかけ離れたものがお出しされるのでがっかりするかもしれない。
しかしシリーズとしては結構刺激強めの描写諸々含めて挑戦的かつ攻撃的に振り切れた仕上がりになっていてかなり見応えのあるものだったなと思う。
ジュブナイル寄りな作風だった前作に対して本作は拷問等の残酷描写を挟みながらじっくりと人間の善悪を炙り出すようなダークな作風に。
崩壊した社会に生き自己と社会をどう受け止めたのか、ジミーとケルソン、それぞれ対極にある2人の明暗別れる生き方を交互に描く人間の光と闇のコントラストが醜くも美しい。
出会い、交差してしまったことで終点へと加速していくケルソンとジミーそれぞれの人生、その爆発力と寂寥感は前作とはまた一味違う味わいだった。
実に美味。
堪能させていただきました。
で、ケルソンとジミー中心の映画なのでスパイクの物語はおざなりかというとそんなことはなくて、この2人が暴れまくっていたせいでちょっと引っ込んじゃってただけでスパイク視点から見た時に前作から引き続いて少年の成長ストーリーとしての側面もちゃんとあってそこんところも嬉しかった。
ジュブナイル風味で親離れin崩壊社会を成し遂げたスパイクが今作では社会進出へ!
親元を離れて就職した先に待っていたのはカルト集団ジミーズ!
ブラック企業での労働がスパイクの精神を激しく憔悴させていく!
スパイクブラック労働編!
少年は独り立ちし、やがて大人へとなる…
と、知らん奴とのナイフデスマッチ強要に非感染者への拷問執行強要など社会経験と呼ぶにはあまりにもハードすぎる人生を送るスパイク君に同情を禁じ得ない今作。
今作のスパイクが前作を遥かに凌ぐレベルであまりにもしんどくてかわいそうなので終盤彼に差し伸べられるわずかな優しさが心の芯にまで染み渡る。
ケルソンとジミーという二種類の人間による善悪コラボレーションへのリアクション要因としても最高の役割を果たしていたよ…
このシリーズが崩壊した社会における少年の成長ドラマだなという感触がより固くなる一本だったなとも思う。
スパイク目線がめっちゃくちゃしんどくて、だからこそ最後にぐちゃぐちゃになった心がほどけていくような展開が映えていたよ。
本当に好きだわスパイク。
最高の主人公だよ。
そしてそんなスパイクを絶望に叩き込むジミーがもー!とんでもなくクソッタレで!いい味で!
お前のおかげでこのシリーズのグロ度が上がったよ!

非感染者を見つけては捕らえ、拷問し、殺す。
子供を殺し合わせ洗脳し拷問から殺人まで汚れ仕事を全部押し付ける。
(子供達はツギハギのボロボロな出立ちなのにジミー自身は小綺麗なジャージとアクセサリーで着飾っているのあまりにもジミーらしくて好き)
崩壊社会において考えうる限りの悪を尽くしていそうな最低最悪の振る舞いを見せるジミーの邪悪さはシリーズでナンバーワンと言ってもいいそれ。
しかしジミーのその残酷さがケルソンの持つ善性との良い対比関係にあってこの映画にとってなくてはならないものとなっていたように思う。
悪性を詰め込んだかのような暴力を振りかざすジミーと人間性を捨てずに感染者や人間と向き合い続けたケルソン、社会が崩壊した現実とそこで生きる自分をどう受け止め28年間を歩んだのか、まるで真逆の2人の明暗をくっきりさせるという意味でジミーが作中で行う蛮行の数々は絶対に隠さず正面から描写しなければならなかったんじゃないかなと。
そしてまるで異なる善悪の行動を取る2人は結局のところ同じ人間。
善も悪も、感染者さえも、突き詰めればただの人間。
どう理屈づけても何をしても結局そこにいてそれをしているのは人間。
神も悪魔も無く良いも悪いも全ては人間の振る舞いによるところだという当たり前の事実を本作は文字通り派手に見せてくれた。
(そもそもこの感染騒動の発端だってアホな人間のせいだしね)
とまあジミーが悪ーーーいおかげでそれはもうケルソン先生が光そのものであるかのように癒しだった。
おかげでケルソン先生のターンが来ると「この人何してんだ」とちょこちょこ笑ってしまう場面がちらほら。
そのケルソン究極体のような終盤のアレは本作最大の見せ場にしてゾンビ系の映画の中では他に類を見ない凄い映像になっていたと思う。
ケルソン先生絶対心の底から楽しんでたと思うよアレ。
そんなこんなでジミーとケルソンが良すぎた今作。
個人的に一番印象に残った場面は終盤のアレではなくケルソンとジミーの会話シーン。
それまで邪悪な生物のように描写されていた癖にケルソン先生と会話している時だけは素のジミーが滲んでいるように見えてすごく良かった。
これはレイフ・ファインズとジャック・オコルネン2人の名演のおかげだろう。
暴力という虚構で彩り着飾った自分を脱ぎ捨てあの頃の少年をジミーが見せることができたのは等しく同じ人間として接してくれるケルソン先生の人徳のおかげなのだろうか。
トラウマを掘り起こすように過去を打ち明けるジミーの遠い過去を儚むような表情に1人の壊れた人間が見えて何だか悲しいようなふざけんなよこいつと言いたくなるような複雑な感情に陥ってそこが何とも気持ちよかったなあと。
結局行き着くところは等しく人間であるという事実なのだろうね。
スパイクも、ジミーも、ケルソンも、さらには感染者さえも、結局そこにいるのは人間なのだという当たり前のことを突き詰めてくれたのが本当に気持ち良くて。
ただ当たり前のことを語っているに過ぎない話ではあるんだけど、その当たり前なことの説得力をパワフルにかましてきた一本。
気持ちのいいパンチをもらえて嬉しい。
そしてあの男、キリアン・マーフィー演じるジムの再登場!
生きてたんかいワレ!!
28年後のトレーラーが来た時ガリッガリの感染者が「感染したジムの成れの果てだ!!」と大騒ぎになっていたのも今となっては懐かしさすらある。
3作目ではバリバリ主役級の活躍を見せてくれそうで実に楽しみ。
まだ撮影始まってなさそうだから期間は結構開きそうだけど、なんでもいい、頼むから見せてくれよ3作目…
ぽしゃらないでくれよ…
今回はこの辺で。
では。
