ヴェーゼ (HUNTER×HUNTER)について

ヴェーゼ 漫画

「言わなきゃ踏むのをやめるわよ!!」

ヨークシンシティ編にて初登場しクラピカと同時に加入したノストラード組の一員。

出番はさっぱりなかったもののその能力のわかりやすさとHUNTER×HUNTERらしい美人にも容赦ないショッキングな最期が相まって印象に残りやすいキャラでもある。
今回はそんなヴェーゼについて。

人物像

クラピカ、センリツ、バショウと同期なノストラード組の色気担当美人お姉さん。
ノストラード組になぜ入ったかなどそもそものバックボーンがまるで語られていない実は謎だらけなままの人。

わかっていることと言えばドSな美人であるということだけ。

一体どうやって入手してきたのか一角族の頭蓋骨とかいう訳のわからない代物を入手してきたりノストラード組の試験では華麗に執事を盾にして銃撃を凌いだりとそこそこ戦闘できる風だったりお前プロハンターか…?と言いたくなる様子がちらほら見受けられたが作中でハンターかどうかは明言されていない。
(ノストラード組の試験が経歴不問だったのでハンターでなくても受けられた可能性は高い。「経歴」がハンターとしての経歴を指している可能性もあるけど)

その佇まいに嘘偽りないセクシーすぎるスパイ映画っぽい能力はかなり強力なそれだったがその力を発揮する機会をほとんど与えられずに退場となった。

直接描写はないもののイワレンコフの死に様から考えれば同じような凄惨な最期だったことは想像に難くない。
直前にイワレンコフが頭を砕かれ色々ぶちまけながら死体をピクピクさせているシーンが挟まるので「わざわざヴェーゼの分まで描かなくてもわかるでしょ?」みたいなことを言われているようでちょっと怖い。

オークションでは競売担当を任されたがその結果あんなことになってしまったわけで、こんな便利な能力を持ったヤツを襲撃の危険性が高いオークション会場内に配置したダルツォルネの正気を疑いそうになる。

まあ生きていたら本当に大活躍しかねない能力を持っていたのでどうあがいても早期退場する運命にあったとは思うけど…

経歴

1999年 ノストラード組の試験を受ける。「潜入者」であることを否認するスクワラを能力で操作し自白させる。合格

1999年9月1日 地下競売にてトチーノ、イワレンコフと共に競売担当として会場に入場。
幻影旅団の襲撃に巻き込まれる。トチーノを犠牲にフランクリンの攻撃から逃れることに成功したものの会場の外で控えていたシズクに襲われイワレンコフ共々死亡

死体はシズクのデメちゃんに吸い込まれて処理された。

能力

「アタシに唇を奪われた者をアタシの下僕に変える!!」

操作系能力者
能力名 180分の恋奴隷インスタントラヴァー

キスした相手を180分(3時間)自分に服従させる能力。
(明言はされていないもののその特徴から操作系強制型の能力であると思われる。)
これぞ操作系!なわかりやすい能力である。

そして何よりも強力。

3時間の間ならば相手からあらゆる情報を引き出し時には戦力にもすることができ何でもかんでも思いのままである。

しかし発動条件の「キス」は難易度が高く、それこそ戦闘中なんかにはほぼ無理な条件であるため格上も長時間操作できる可能性を秘めた能力としては相応のリスクを持っている。

同じタイプの能力者であるシャルナークのブラックボイスは対象にアンテナを刺すことを発動条件としており対象が死亡するかアンテナが抜けるまで能力が解除されないようになっている。
これに比べるとインズタントラヴァーは対象との距離を0まで確実につめなければならないことや高いリスクの割に操作に3時間という制限時間が設けられていることなどから対象を操作するタイプの能力としてはシャルナークを水準に考えればそのリスクと効果のバランスは納得がいくものであると思う。

シャルナークとヴェーゼ
似たタイプの能力とはいえ比較対象として旅団メンバーの名前が挙がるやられ役の女とは一体。

このキスが例えば相手の寝ている間だったりとか無意識下で行われたものだった場合に能力の発動条件を満たすかどうかは不明。
(キスをされたことを相手が自覚する必要があるならますます発動難易度は高いと言えるだろう。)

また、一度にどれだけの人数を操作可能かも不明。
まあ一人じゃないかなとは思うけど。

ヴェーゼ一人で扱う分には弱いorちょろい男相手に能力を使って情報を引き出すくらいだろうが(それでも十分すぎるくらいのものだが)、戦闘に長けた人間と連携すれば強力な念能力者を手駒にすることも可能でありチーム運用することでその力をより発揮するタイプだったと思われる。

それこそノストラード組が誇る強キャラクラピカと連携すればそれはもうとんでもないことになったと思う。
そうなってしまうから退場したんだろうけど…

インスタントラヴァーはどこまで通じたか?

ここまでインスタントラヴァーが強いよとアピールしてきたワケだがじゃあ実際作中の強キャラ相手に通用するのかどうか?ということは気になるところだろう。

例えばヴェーゼ退場直後に大暴れしてクラピカが抑えるまで手がつけられなかったウボォーギン相手だったら?ネテロ会長でさえ倒すことのできなかった作中最強のメルエムが相手だったら?

きちんとインスタントラヴァーは発動しこの二人すらも完封できてしまうのだろうか。

結論から言えば「できる」(と思う)。

よく挙げられる意見として格上には通じない、オーラが凄すぎてウンタラカンタラみたいなのがあるが、「念能力者同士の戦いはオーラの多寡のみでは決まらない」ということが作中で明示されており、条件さえ満たせば能力はどんな相手にも発動しジャイアントキリングが可能であると考えられる。

一番わかりやすい例はユピー戦だ。
ナックルのハコワレがユピーに発動し時間経過さえすれば絶に追い込めたこと、ユピーの反応を上回る速度で攻撃を繰り出したキルアの神速など条件さえ満たせば能力次第では格上相手にも通用し得るということが非常にわかりやすい形で描かれている。
このように例え相手がウボォーギンだろうとメルエムであろうとキスという条件さえ満たせばインスタントラヴァーは発動し3時間服従させることができるということだ。

問題はその条件をその二人相手にヴェーゼが満たせるわけがないということだ。
能力の項目でも説明したように戦闘中に格上相手にキスなんてゼロ距離攻撃?をかけられるわけがない。
なので誰かのサポートは前提条件として必須になる。

ウボォーギンの場合、クラピカのチェーンジェイルの束縛で気絶し意識を失っている間にキスをしてしまえば目覚めた時にはヴェーゼの僕となっているだろう。
そうなればウボォーを操作して知る限りの団員情報やアジトの場所を聞き出しその上でウボォーに団員の殺害を命じれば勝手にクモ同士で潰しあってくれてノストラード組的にもクラピカ的にもウハウハという味方サイドがやってはいけないレベルで邪悪な展開になっただろう。

ただしこれはインスタントラヴァーの発動条件が「キス」だけという仮定の話だ。
例えばキスをされたことを相手が認識している必要があるとすればその難易度は跳ね上がる。
チェーンジェイルで絶にしたりガスで動けなくしていたとしても意識のあるウボォーギンにキスなんてしたらその唇を噛みちぎられそうというかそうなる未来しか見えない。

同じことはメルエムにも言える。
本編でも提案されたパーフェクトプランと誰かしらの能力のコンボでメルエムを討つというやり方をヴェーゼに置き換えればメルエムを封じることは可能だ。

パーフェクトプランで近づきメルエムにキスをする、それだけでメルエムは下僕となる。
問題はウボォーの時と同様キスしたことを相手が認識していなければならなかった場合このコンボによるメルエム封じは不可能になるということ。(パーフェクトプランは相手から一切認識されなくなるので)
面と向かってメルエムからその唇を奪うなんてウボォーを相手にする以上に不可能。
一瞬で顔面の皮ごとひっぺがされておしまいである。

よって「キス」だけが条件ならチームとの連携次第でウボォーとメルエムを従属させることは可能、「キスされたことを相手が認識すること」が条件の場合ウボォーならチェーンジェイルでめちゃくちゃ弱らせればなんとか可能だがメルエムは100%無理、ということになる。

インスタントラヴァーの条件は作中でも細かい指定はされていないため「相手が認識すること」はいちゃもんレベルの仮説ではあると我ながら思うが。

まあウボォーはともかくとしてメルエムを仮に操作できたとしてもその後メルエムをどうやって倒すんだよ問題が発生するのだが。
護衛軍や師団長全員をメルエムに殺させてその後荒野に一人で突っ立ってもらってそこにミニチュアローズを落とすとかだろうか。
まあでもメルエム無力化の可能性があるというだけでもかなりすごいことなのでヴェーゼは誇ってもいい。

インスタントラヴァーにメロメロになるメルエムを拒否するパーム
そもそもインスタントラヴァーでメロメロになっているメルエムなんて見たくはないと内なるパームが叫ぶのだが。

メルエム無力化、旅団壊滅の可能性を持っていただけでなくトチーノ同様B.W.号編に出てきてもとんでもない大活躍しそうでなんというか物語クラッシャーすぎる。
早期退場もまあ仕方ない。

インスタントラヴァーは「操作系って強いの?」に対するアンサーとも言えるだろう

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