ステイサムという竜巻 ビーキーパー(2024)感想

ビーキーパー 映画

最近妙に話題のビーキーパーがアマプラに来ていたので鑑賞。

みんな大好きジェイソン・ステイサムが今度は養蜂家になって悪い奴らといつも通りバチバチやり合うぞ!というアクション映画。

ネット知識の薄い高齢者達を騙して金をむしりとり絶望させまくってたらその被害者の1人がたまたまステイサムと仲良しだったせいで怒ったステイサムに組織がめちゃくちゃにされてしまうという悪党目線から見たらどうしてこんなことに…な一本。

ステイサム映画というと大体の場合悪い奴らが調子こいてたらステイサムの尾を踏んで壊滅の憂き目に遭うというパターンではあるが本作はそれの極致!

最高だよステイサム…

多分多くの人が感じたことだろうけどアレです。
ジョン・ウィックの血が流れてますこの映画
そしてその上でそこから少し外してくることで単なる既製品のコピーにはならない自我も持ち合わせているのが素晴らしい。

偉い人のバカ息子がバカなことをやって現役を退いたはずの闇の仕事人を怒らせてしまうという文脈は既視感がありすぎるくらいにジョン・ウィックのそれ。

敵がステイサムと知った事情通おじさんがゲンナリしてバカ息子を責めたり慌てる下りもステイサムが元身内にマトにかけられる展開も見覚えがありすぎるくらいにジョン・ウィック。

しかしジョン・ウィックがとことん裏社会の連中とばちばちに戦争する映画だったなら本作のステイサムは裏社会の人間に留まることなくFBIやらシークレット・サービスなど幅広い敵を蹂躙していたのでそこは明確な違いと言えるだろうし面白さの一つにもなっていたと思う

(公権力相手にもガンガン歯向かうし権力者やその息がかかった相手のような法で裁けぬ悪を裁くステイサムの立ち位置に段々とジョン・ウィックというか必殺シリーズでも観てるかのような気分にさせられるという不思議体験も出来て大変良かった。)

あと養蜂家という設定も「ステイサムがやったことのない仕事やらせてみよーぜ!!」と監督らがふざけて考えた設定かと思ってたけど意外にもこれもシナリオに綺麗にハマるピースとして機能していて上手かったなぁと。

登場人物もステイサム一強というわけでなくいい感じに情けない敵ボスとそのお仲間たち、カス詐欺師にイラつきながらも職務を全うしようとする特殊部隊のワイルドな隊長さん、やられ役みたいな見た目のくせに顔面を撃たれたり刺されたりしても立ち向かってくるスーパータフガイ義足の傭兵など地味に魅力的な連中がチラホラ。
(個人的には義足の傭兵がお気に入り。)

そして目を見張るは何よりもとんでもないテンポの良さ

映画開始30分も経たない内にカス詐欺師集団のビルを爆破したかと思えば報復にきた武装チンピラどもを瞬殺、かと思えばすぐに古巣からの刺客がガソリンスタンドで銃乱射しに来たりとあれよあれよという間に敵が現れ瞬殺されを繰り返しどんどん事態のスケールが大きくなっていき気付いたら公権力相手にも躊躇いなく暴力を振い出す展開はツッコむ暇すら与えないスピード感で最高だった。

作中でも言及されていたようにまさに「竜巻が通ったあと」みたいな映画

ステイサムが調子こいた輩や強そうな敵を次から次へと蹴散らすいつもの流れをジョン・ウィック文脈に則ってやりつつ途中から公権力とのバチバチ路線に進路変更しながら物語のスケールを極限まで高め終わってみれば風刺っぽい雰囲気を纏った作品にすら感じるというカオスを超高速で浴びせてくれた本作。
とにかく気持ちの良い一本だったよ

真昼間に真正面からどれだけの敵がいようと実行するステイサムの暴れっぷり。
観ていて気持ちが良すぎる
全くストレスを溜め込まないし頭もそんなに使わなくていい

そして観終わる頃にはまたステイサムに会いたくなる

あっという間の、爽やかささえくれる素晴らしい1時間45分だった。

続編も決定しているらしいけど続編作れると思ってなかったんじゃないかなーと思うくらい今作でスケールがデカい敵とやり合ってしまったので続編作ったところで一体何と戦うっていうんだ…
あらゆる面で「これ以上」を用意できるのか不安半分、単発で終わりがちなステイサム映画の貴重な続編が観れる楽しみ半分といったところ。

ちなみに本作の監督デヴィッド・エアーがシルヴェスター・スタローンの書いた脚本で撮ったステイサム主演映画『A WORKING MAN』も公開を控えているとのことなのでこちらも楽しみ。

ステイサム映画を色々と見返したり今後を楽しみにしたくなる良ステイサム映画でしたビーキーパー。

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