ビノールト (HUNTER×HUNTER)について

ビノールト 漫画

「オレはただ、まともに生きたかっただけだ!!」

G・I編に登場した賞金首ハンターのくせに自分自身も賞金首というちゃんとやばい男。
出番の少なさの割にその特徴的な能力、性癖、過去回想シーンなどで妙に印象に残る、今回はそんなビノールトについて。

前述の通りちゃんと危険人物である。

見た目はモブ、出番は4話のみと少ないこの男の正体はなんと人間を殺しその肉を喰らう食人鬼。
好みは22才の女の肉。

それも「お前の体を全て把握しその上で存分に可愛がって…」のセリフから殺してから食べるのではなく拷問にかけたり生きながらその肉を切り分けて食べていた可能性まである。
ホラー映画から抜け出してきたみたいな奴だ。

絶から発まで自身の嗜好を満たすための犯罪に念能力を躊躇いなく行使、かつプロハンターとしての資金力や権限も有しておりシャバで好き勝手させてはいけないタイプの男である。
経緯は不明だがグリード・アイランドの中にビノールトが留まっていた状況は民間人的には幸いなことだったのかもしれない。

そもそも22才の女が好きと言いながらそこだけを狙わずに子供まで躊躇いなく獲物認定する見境の無さからして一刻も早く檻の中にぶち込むべきとしか言いようが無い。

しかし年齢性別関係なく標的にする見境無い犯罪者である一方、武闘家としての一面も併せ持っておりビスケの鍛え抜かれた肉体の真実に気付いたときは手合わせをお願いするなどやってることほぼほぼアウトなくせにギリギリ人間性を繋ぎ止めているところも見られる。
(繋ぎ止められているか…?)

犯罪行為に手を染める前から武闘家だったのか、犯罪成功率を上げるために武闘家としての修行を積んだのかは不明。
(個人的にはハンター試験合格後念の修行をした流れで武闘家っぽいこともしたとかそんなとこかなとは思っている。)

犯罪者になる前はスラム街に落ちている財布を届けてあげようという他人を思いやる善良な心の持ち主であったがその届けた相手に窃盗犯と疑われボコボコにされてしまう悲しい過去を持っており、おそらくこのエピソードこそがビノールトを歪ませる原点だったと思われる。
同情できなくもないが…やってることが完璧アウトなので…

そこから食人鬼へと堕ちていったビノールトだが同時にプロハンターとしての肩書きも持つことにもなった。

おそらくだがこれもハンターが持つ資金力や情報力などを全力で自身の犯罪行為に用いるためのものであると思われる。

もしくはヒソカのようにハンターであれば殺人が不問になるケースもあるからそれを狙ってのことか。
テラデインやブシドラも怒り心頭なタチの悪い存在である。
詳細が描かれていないだけで結構な犠牲者数が出ていると思うしこいつをモデルとした映画なんか作られておかしくはないとすら思ってる。

劇場版ビノールト
ビノールトをモデルにした映画もありそうだしなんならジョネスの映画は絶対にあると思ってる。

最終的には自首という猟奇犯罪者としては驚きの結末を迎えるわけだが、まあ色んな意味でHUNTER×HUNTERらしい最小描写でキャラクターを最大限引き立たせる手腕が光ったキャラだなと思うのである。

結局その後生きてるのか死んでるのかもわからない、というところも含めて短い出番の中で美しくまとまっているキャラだと思う。

????年

少年期、スラム街にてカップルが落とした財布を拾い窃盗の冤罪をかけられリンチにされる。

????年

ハンター試験に合格。(殺人鬼になったこと、念能力覚醒、これらとどう前後するかは不明)
その後グリード・アイランドへ。

1999年9月中旬下旬(少なくとも9月15日以降)

グリード・アイランドにてゴン・キルア・ビスケに接近、殺人の標的にするもビスケに完敗。

命と引き換えにゴンとキルアの修行の相手をさせられる。

ゴンとキルアの潜在能力の高さの前に敗北を宣言。
素直に自分に感謝を述べるゴンにグリード・アイランドを出て自首することを誓い見逃される。

その後ビノールトが無事ゲームを出ることかできたかは不明。

弱いわけではないが…かといって強いわけでもないといったところ。

作中でも上位に入るであろう身体能力を持つビスケを相手にした際は一撃を与えることすら出来ずに完敗。

しかしビスケが気づくまでゴンとキルアに接近を気づかせない、キルアが攻撃を仕掛けようとした際には手負いの体でありながらカウンターでその目をつぶしかけたりとヨークシンシティ編直後のその辺の雑魚相手なら問題にしなさそうなゴンとキルアを脅かしかねない場面も見られるなど別に弱いわけではない。

むしろやる方である。(ゴンとキルアのギアが入っていなかったことが大きな理由だけど)

キルアが「実力が拮抗した相手と命懸けの戦闘」と表現していることから総合的には当時のゴンとキルアと同等くらいだったんじゃないだろうか。

ゴン達を子供だと思い油断しわずかな殺気を漏らしたこと、そしてそれを消した早さの総合的な「相手の気配」から「結構場数を踏んでいる」であろうとビスケに評されており戦闘経験値や場数はそこそこ踏んでいたと思われる。

武闘家としての一面も持っているので体術もそれなりにやれたんじゃないかなと。
相手がビスケだったせいで瞬殺されたけどグリード・アイランドから出られずに燻っているようなプレイヤーなんかとは比較にならない危険度ではないだろうかと思う。
ダメージを負った状態でゴンとキルア相手に粘っている様子からも単なる雑魚ではないことが窺える。

しかし絶をしていながらギアMAXのゴンとキルアに気取られるなど経験値の豊富さの割に基本的な技術面に粗が見えることも。

この辺の微妙に中途半端な描写から、念の戦闘経験や場数を踏んではきたものの格下、確実に殺せる相手のみを選んで戦闘していた可能性が大きい。

また、互角以上の相手との戦闘経験は薄く、さらに言えば念の基礎修行も疎かになっていた可能性が見えてくる。(あくまで個人的な考察です。)

ビスケにグリード・アイランド内でいうところの入手難度Dと評されたことからもちゃんと修行をしていれば倒せるくらいの強さであり、なんというか才能はあったのかもしれないが適切な努力と経験を積むことができないままここまできてしまった強さかな、という印象である。

「八つ裂きにしてやるか…オレの“切り裂き美容師シザーハンズ“で…」

系統不明(強化系or特質系?)
能力名 切り裂き美容師シザーハンズ

愛用のハサミで切った人間の髪の毛を食うことで相手の情報を入手する能力。

本人さえ知り得ない肉体の情報を知ることが可能であり、肉質や病気の有無、遺伝的資質、強さなどその全てを把握することが可能。
ただし相手の念能力までも把握できるのかは不明。

系統については作中では明言されておらず特質系ではないかとする声がこれまでは多数見られてきた。
しかし嗅覚を強化することで相手の系統判別を行えるドッグマンが強化系に該当していることを考えるとビノールトも味覚を感覚強化している強化系な可能性が高くなってきている

さらに言うと見た人間の位置を特定可能にできるパームも(多分視覚を強化している)強化系だったりするのでビノールト強化系説は濃厚かもしれない。
(あと個人的にはビノールトと同じく特質系と言われがちなメレオロンも自前の透明能力を強化している強化系だと思っていたり)

制約としては
①ビノールト愛用のハサミで相手の髪を切る
②切った髪の毛を食う

であり②のハードルが常人にはとんでもなくきついものとなっている。

しかしビノールトは常人ではなく変態なので制約がむしろご褒美になっている。
本編でも美味しそうにビスケの髪食べてるし。

能力内容もそうだがハサミを破壊されたら能力使用不能の可能性が高いなどちょっと、というかだいぶ戦闘向けとは言い難い能力である。
(サポートとしては優秀かもしれないが)

完全にビノールトの趣味嗜好を満たすためだけの能力なのだろう。

そもそも何故こんな扱いづらそうな能力にしたのだろうか。
これは多分自分で考えて作った能力では無いからだと思う。

おそらく元々はネオンなんかと同じ無自覚な能力者だったのではないだろうか。
獲物を追い詰め好物の肉を味わう前にまず髪の毛をハサミで切って食べる。
恐怖に引き攣る被害者の表情なんかも込みで楽しんでいたのかもしれない。
いわば髪はビノールトにとって前菜であり、いつしかその前菜である髪を食う行為がメインディッシュを深く味わうための能力として覚醒したんじゃないかなと個人的には思っている。

趣味嗜好を満たすために何か能力を作れるならもっと犯罪の成功率を上げるための能力にするだろうし、食事をより楽しむための能力という着眼点から作ったとしても髪ではなく好物である肉を中心とした能力の組み立てをしても良さそうだし…

あとは日常的にハサミを使っていたということもこの能力になった理由としてあるのだろう。
美容師のフリでもしていたかまさか本物の美容院でも経営していたか定かではないけれども。

本来なら医療関係や捜査関係でこそその真価を発揮しそうな能力なのだが当の本人がゴリゴリのヤバめ犯罪者だったというのはとんだ皮肉である。

ビノールトとレオリオ
相手の肉体の全情報を入手できる能力とメスの届かないところに潜む腫瘍や血栓を破壊できる能力の組み合わせ、最高の医療コンビでは。

頭から抜け落ちがちだがそもそも何故ビノールトはグリード・アイランドの中にいたのだろうか。
ゲームに興味があるようにもグリード・アイランドに目的のアイテムがあるようにも見えないしましてや念の修行だなんてやるためにこんなところに籠るタイプにも見えない。

罪に問われないであろう環境での無差別殺人を謳歌するため…というのは考えられなくもない。
ビノールトは岩場で殺せそうな相手を見つけたらハサミ片手にニヤニヤしてしまう変態だ、警察も機能してないこの環境下で格下を狙い好き勝手に弄べるのは嬉しいところだろう。

しかしここはグリード・アイランド。
念能力者専用のゲームでありもちろんプレイヤー全員が念を使える。
オーラの多寡で勝負が決まるわけではない念の戦闘、いくら格下を見繕い殺して行ったとしてもどこかで事故が起きかねない。
それこそビスケとのマッチングがそうだ。
目も当てられないくらいの空中大回転吐血を披露している。
よく生きていたものだ。運が良い。

ビノールトが好きでやっていたのは殺人と食人であり決して戦闘そのものは目的ではなかっただろう。
ならば自分より格上が多い可能性の高い環境下での犯罪行為は返り討ちになるリスクの方が高い。
なので殺人を楽しむための舞台に選んでいたという線は少し薄いと思われる。

では何故こんなところにいたのかを考えると現実世界から必死こいて逃げた先がこのグリード・アイランドだったのではないかという考えに行き着く。

一応ビノールトは賞金首でありハンターやらなんやらから追われる身であるはずだ。
(ハンター十ヶ条によりハンターがハンターを狩ることは禁止されているが悪質な犯罪行為に及んだ者に於いてはその限りでないとも明文されており、作中で一般人に危害を加えたイルミがハント対象に認定されたようにビノールトも彼の犯罪の物証が上がり同胞であるハンターから狙われるようになったことは十分に考えられる。)

そして決して戦闘にめちゃくちゃ強いわけでもないのでそれなりに強いハンターに追われればもう万事休すだ。
そんなこんなでにっちもさっちも行かなくなった状況でグリード・アイランドに逃げ込むことに成功し見事潜伏したということではないかなということである。

なんでビノールトがグリード・アイランド持ってんだよって話だが殺した相手がなんかたまたまそういうの集めてるコレクターだったとかそんな理由くらいしか思いつかないのがアレだが…

一応ビノールトもハンターの端くれである以上どこかでグリード・アイランドの噂を耳にしている可能性があるだろうし緊急避難先としてグリード・アイランドを利用したという流れはなくは無いんじゃ無いかなと個人的には思っている。

いや流石に今後とかないでしょうよ。

もしかしたら獄中ビノールトが一方その頃インぺルダウンはみたいな感じでチラッと映る日が来るかもしれないけどいつだよそんなタイミング。

でもこの漫画ジェイトサリみたいな全員忘れてそうなキャラ突然チラッと出してきたりするからな…

もしかしたら…

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