爆弾魔(ボマー)について

ボマー 漫画

「教えてやろう。世の中には死ぬより辛いことなどいくらでもあるとな」

ゲーム内に潜む凶悪なプレイヤーとして恐怖を振りまき大いに物語を盛り上げてくれたG.I.編の立役者ボマー。

メンバーはゲンスルー、バラ、サブの3人。

言ってしまえばG.Iに入り浸るヤンキーみたいなものだったがその強さは確かなもので序盤からクライマックスまで存在感が薄れることなくG.I編に良い緊張感をもたらしてくれた名悪役。

今回はそんな爆弾魔について、中でも特にゲンスルーを中心に語っていこうと思う。

人物像

格下の相手には脅迫・恐喝を容赦なく行い場合によっては殺害することに一切の躊躇いがない残忍さを見せる一方、能力が未知数かつ星持ちのツェズゲラ相手の時は弱ってそうなタイミングを狙ったり好戦的なフェイタン・フィンクスなどへの警戒も怠らないなどうっかり事故がおきないように慎重に行動する冷静さも持ちあわせている。

「狡猾で残忍」という表現に足が生えて歩いてるようなもんだと思ってくれていい。

他人にはまるで情が無いくせにバラとサブには「危ない橋を渡る時は3人一緒」と宣言するほどに絆が深く、つまるところ身内にだけは優しくそれ以外(格下)は搾取対象としか認識していない典型的ヤンキー。

5年近く一緒に過ごしたニッケスらハメ組に対しての情が一切ないくせにサブ・バラとの絆は異常に強く彼らの過去に何があったのか気になるところ。

ヤンキー漫画みたいに濃密なドラマがあったのかな…。


御しやすい相手にほど積極的に絡んでいく性格なので、パンピーをシカトしてくれそうな幻影旅団よりよっぽど身近でタチが悪い。

多分能力チラつかせて小銭奪ったりとかそういうことを日常的にやってる。
(能力を見せて奪うもの奪った後は情報が漏れないようにきっちり殺害してるに違いない)

偏見だが自分の財布から金出してご飯食べたこと無さそう。
むしろ財布持ち歩いてなさそう

「そろそろ決めとくか…500億の使い方と三枚のカード…」というセリフから報酬の金どころか本来バッテラに渡す契約になっていたクリア報酬のカードも恐らくバッテラとその警護諸共殺害しその全てを掠め取ろうとしていたことが窺えるあたり本当に始末が悪い悪党である。

経歴

1994年 G.I.攻略のためにニッケス、ジスパ、ゲンスルーなど10人がハメ組を結成

1999年 ゲンスルー、自らの正体をボマーと明かしアベンガネ以外のハメ組を殺害。サブ・バラと合流。

2000年 ゴン組からカードを奪う為に交戦。それぞれゴン・キルア・ビスケに敗北し捕縛。

戦闘力

G.I.アクティブユーザーの中では最高峰の実力者。
ゲンスルーだけでなく他2人も含めちゃんと強い。

戦闘はあくまで欲しいものを手にするための手段の一つに過ぎないと考えているような冷静な立ち回りを見せる。
これは「自分達は強い」という最終的には力づくでもいけるという自信があるからこそだろう。

熟練ハンターのツェズゲラからもケガや修行不足を差し引いても自身が足下にも及ばないだろうと評価されるほどの戦闘力であり基礎的な部分から応用に至るまで念能力者としてかなりのものであることが窺える。

能力に頼り切りな戦闘をするわけではなく、基本的には体術をメインとし能力そのものは脅しや交渉、相手を怯ませるためなど自分の優位を作り出すための補助装置のような役割として運用している。
ゲンスルーから見て格下だらけかつ他プレイヤーとの交渉必須のG.I.では天下無双だったことだろう。

サブ・バラも「ゲンスルーが本体」と言うものの決して弱いわけではなく、あのビスケとキルアから
「相当強い」
「かなり強い。体術や筋力はオレがやや上。けどオーラの量ははるかに俺が劣るだろう」

と高い評価を受けているのでゲンスルーには及ばないもののG.I.内では上位に食い込む強さだと考えられる。

とはいえ負傷したキルアには技の実験台にされビスケには実質ワンパンと最終的にはやられ役のような印象に落ち着いてしまった。
(ビノールト瞬殺したビスケの攻撃を連続で受けてもヘラヘラしてたり50㎏ヨーヨーを頭部に食らっても意識があったりさらっととんでもなくタフな描写がされてはいたけどまあ相手が悪かった…)

能力

具現化系能力者(ゲンスルーのみ)
サブ・バラは系統不明

能力名 ①一握りの火薬リトルフラワー
命の音カウントダウン

一握りの火薬リトルフラワー(多分変化系能力)

ゲンスルーのみが扱える発。

ゲンスルーが「手で掴んだモノ」を爆破できる能力。
掴める大きさの限界はバスケットボールくらいまで。
リトルフラワーを使うと見せかけて防御が不十分な部位を攻撃するという戦法もとる。

威力はさほどないと語ってはいるが、掴まれた箇所やオーラによる防御の具合次第では身体欠損、最悪の場合死ぬこともある。

能力発動の際自身の手を火傷せずに済んでいるのは「爆発の攻撃力より大きいオーラで凝を行い自分の手を覆っているから」
これはゲンスルーが自身の手を凝で覆っているか否かの確認をされてしまうとリトルフラワーを使うのかフェイント攻撃を仕掛けてくるのかの判別が可能になってしまうというリスクを孕んでいるということでもある。

また、凝を同時に使用しているということは能力発動時相当なオーラを消費しているとも考えられるので、そこから期待できる成果・効果を考えるとあまり燃費・効率のいい能力とは言い難い。

命の音カウントダウン(恐らく具現化系・相互協力型ジョイントタイプ

  ⅰ)対象者の爆破させたい部分に触れながら爆弾魔ボマーと言うことで爆弾設置
  ⅱ)対象者の前で能力について説明することで爆弾が作動
  ⅲ)カウントゼロもしくは解放リリースによって起爆

  ※解除するためにはゲンスルーに触れながら「爆弾魔ボマー捕まえた」と言わなければならない

ボマー本命の爆弾。

その威力はリトルフラワーとは比較にならないものであり致命傷を与えるには十分な火力。
さらに条件さえ満たせばそれを数十個同時発現することも可能というかなりレベルの高い能力。

放出・操作・具現化の複数系統が絡むこと、「ゲンスルーが本体ならオレ達は備品みたいなもん」という発言等々から暗黒大陸編以降に登場した相互協力型ジョイントタイプに該当する能力ではないかと考えられる。

サブとバラが一度も個別の能力を使うことが無かったのも恐らくこの能力でメモリを使い切っていたということだと推察できる。

恐らくこれら二つの能力は戦闘に勝つために作られたわけではない。
あくまで「交渉」のための能力。(その中に恐喝脅迫など物騒なものが混じってはいるが)

カウントダウンを取り付けた相手に対し爆弾解除の見返りを要求し、もし相手が要求を拒絶し襲い掛かってくるならリトルフラワーで排除、がこの二つの能力の基本運用。

シンプルに卑劣

リトルフラワーもカウントダウンに比べれば威力は劣るものの手足を吹き飛ばすような欠損ダメージ、そうでなくとも相当の痛みを与えることが可能な能力であり、それによって相手の心を折り要求を通しやすくするという目的なら格下相手には絶大な効果を発揮するだろう。

ゲンスルーの攻撃を見極めて瞬時に凝で防御という対応が可能か否かがゲンスルーと闘う最低ラインとするとただ念を修得しただけの人間はカモでしかない。
幸いにしてG.Iはそこまで至っていないレベルの使い手がゴロゴロしておりゲンスルー達が脅威になる環境としては申し分なかっただろう。
(脅されていたモタリケなどがわかりやすい例)

旅団などの格上相手にはまずリトルフラワー発動の為の「掴む」という行為を成立させる難易度が高いのと仮にできたとしても凝の有無で発動タイミングを見極められやすい&常時凝を発動して誤魔化すとしてもオーラの消費量が多すぎるなど、強い相手との戦闘を想定して作った能力とは言い難い。
(しかもガソリンかけられたら能力使用不能になるという簡単すぎるデメリットまである)

ゲンスルーの思考
弱きを挫き強きを避けるボマーの生き様。小悪党が過ぎる。

つまりゲンスルーはあくまで欲しいものを得るための「交渉」のカードとしてこの二つの能力を用意している。

自身の戦闘力に絶大な自信を持ちながらそれに固執しない姿勢から考えても戦闘そのものはゲンスルー達の目的ではない。
必要なら殴るし爆破するし殺しすら躊躇わないけどそれらは彼らにとってあくまでカードの一つに過ぎないのだ。

「敵の意志を挫く!!戦う意志を、立ち上がる意志を、抗う意志を」
このセリフに彼らの本質がこめられていると思う。

ガチガチの戦闘向きとは言い難い能力かもしれないが、この能力をチラつかせながら恐怖させたり時には「お前には才能があり未来があり次のチャンスもある」などと嘯き相手を諦めさせようとしたりするなど、基本的な戦闘能力がかなり高いにも関わらず躊躇いなく小賢しい立ち回りを行えること自体が爆弾魔の怖いところではないだろうかと個人的には思う。

VSゴン

そんなゲンスルーがそのチンピラ力を存分に発揮した人気の名勝負
それがゴンVSゲンスルー。
個人的にもかなり好きな勝負だったりする。

今まで相手をしてきた格下のように適当に嬲って心をへし折りカードを奪えばいい、ただそれだけの相手だったはずなのに…

ゴンの心を抓もうとしていたゲンスルー自身が「こいつ…完全にいかれてやがる」とゴンの異常性に次第に呑まれていきそのまま敗北へと転がっていく流れは、したり顔で「本当の駆け引きってやつを見せてやろうか?いかに冷静で相手にイカレてるか相手に理解させるのがコツだ」などとプーハットに語っていたゲンスルーにとってかなり皮肉が効いてて痛快。

結局のところゲンスルーは自分イカレてるんだぜとアピールしているだけの小悪党でしかなかったと露呈した場面でもあると思っている。

とはいえだ。

読み手の想像を超えたやり方で強敵を倒すという素晴らしい主人公のバトルではあったしちゃんと大天使の息吹で回復する公算があったとはいえ、それでもマジでそんなことしちゃうんだ…と読者目線から見ても普通にゴンにドン引きして怖くなっちゃったのでゲンスルーがビビり散らかしている姿には割と共感だったりする。

「考えついても普通やるか!?」
本当だよ。
なあゲンスルー!なんなんだよあのガキおかしいよ!

少し話題がズレるが何故ビスケではなくゴンがゲンスルーと闘ったのかについても触れたい。
たびたびファンに指摘されている疑問点だ。

確かにビスケならリトルフラワーにも十分対応可能な念の使い手であり基礎体術などの観点からもビスケがゲンスルーに遅れをとることはまずないだろう。
(そもそもリトルフラワーを受けたとしてビスケの肉体にそこまで大きなダメージ入らないのでは…?)
多くの人が抱えた疑問も当然だと思う。

個人的にはビスケがVSゲンスルーをゴンのG.I.内修行の最終段階として設定したんじゃないかなと思っている。

念はある程度の基礎を積んだら実戦での修行が重要視されることは後の描写からちらほら読み取ることができる。

VSビノールトやナックルの時などもそうだがビスケが修行上その辺を意識しているのは明らかだろう。
半ばしょうがない流れではあったといえボマーと闘うことになったのはビスケからすれば僥倖だったのではないだろうか。

格上、それもハイレベルな念の使い手との命がけの戦闘で得られる経験値は計り知れない。
攻略上必須であるスムーズな攻防力移動と凝の使用など、ゲンスルーは修行の最終段階にぶつけるにうってつけの存在だったといえる。

原石磨き大好きなビスケにとってはわくわくイベントだったんじゃないだろうかVSボマー。
まあゴンが「絶対自分がゲンスルーと闘う」と言って聞かなかったからというのもあるだろうけど。

今後

G.I.でゴン達に敗れ捕縛されたゲンスルーらがどうなったかは全く触れられていない。
多分G.I.の外で改めて拘束されて檻の中にぶちこまれているんじゃないかなとは思うけど。

再登場はまあ…ないだろう
G.I.のために用意されたキャラだろうしもうアレで見納めじゃないかなと

今登場したらB・W船内という大量の人間が詰め込まれ脱出困難な狭い環境にボマーの能力が滅茶苦茶刺さりそうだなとは思ったりもしたけど。

まあありえない仮定の話だよこんなの。
あんなマフィアだとか旅団だとか十二支んやらが乗ってる船なんかいくら大金積まれたってボマーさんは行かないよ。
もっと安全に確実に狩れる相手じゃないと。

だからもう…さよならだ
そもそも監獄の中にいそうだし。

…けどちょっと見たかったかもしれない。
船上で暗躍するボマーとそれに頭抱えるミザイの構図

ゲンスルーの寝方
ちなみにゲンスルーが意外と可愛い寝方するところ好き
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