一時期一部で話題になっていた「超迷惑な配信者が配信しながらいろんな人間に迷惑をかけていたらいつの間にか怪異とコラボ配信するハメになってしまった」系ホラー映画。
アマプラに来ていたのでそういや観てなかったなと鑑賞。
めちゃくちゃ面白かったですわ。
もうとにかく勢いで突っ走ってて最高。
考えてる暇なんかないくらいの全力ダッシュが頭からエンドロールまで続いて最後の方はもう勘弁してくれ！！と言いたくなるくらいに濃厚な時間を楽しむことができた。
ただのバカ映画かと思って油断してたら意外とドキドキさせる怖さも（途中までは）あったので意外とホラー映画してたなと感じたりも。
（個人差はあるだろうけど中盤以降はもう全然恐怖ゼロだった）
そんでゲロもあるしウ⚪︎コもあるしで食べ物食べながら見るには最高の組み合わせだったよ全く…
クソがっっ！！
つぶあんデニッシュ食べてる時におばあの汚物処理シーンをぶつけてきやがった。
俺許せねえよ！
観終わった後一番印象に残ってるのが車内でおばあが漏らしたウ⚪︎コを掃除するシーンだったくらい脳に刻まれているので未見の人は注意して欲しい。
俺はクソを見ながらカレーを食えるぜ！！って人なら多分まあ大丈夫。
（グロはあるにはあるけど血の色が絵の具みたいに明るかったりちょっと安っぽさがあったりそもそも勢いがすごいのでグロ苦手な人も大して気にならないと思う。ただしとにかく汚物注意。）
まあそれはそれとしてちゃんと面白かったから良かったけど。
出なきゃお前…ウ⚪︎コ損だぞ…！！
ダッシュカム…！！
痰も吐くしゲロも吐くしウ⚪︎コも漏らすし血も吐くし血も吹き出るしとにかく汚ねえな！！ともう笑うしかないくらいにぐちゃぐちゃでこんなもん配信に載せていいわけがないだろみたいな衝撃場面のオンパレードでアニーの垢が心配になってしまうくらい。
いやこんなアカウントさっさとBANされた方が世の中のためなんだけど。
もう本当に頭からケツまで倫理観欠如した状態で突っ走る勢いMAXジェットコースターだった。
時間が1時間弱と短いのも良い。
こんなもんさらに30分とか1時間とかプラスされてたら体力ゲージ削られ過ぎて翌日の活動に支障を来してしまうところだろう。
そして世界の全てに中指立てながら生きてそうな薬物いらずの天性のナチュラルイカれ迷惑配信者というだけでも十分なのにそこに反マスク反リベラル下品なラッパーと属性盛りに盛られた絶対身近にいて欲しくない女アニーが傑作キャラクターすぎた。
本来なら眉を顰めたくなるタイプの生き物なのにフィクション、それもホラーという舞台だと途端に見応えのある面白キャラクターに変わるんだから創作物ってのは素晴らしいなとほとほと感心。
しかもどうホラー的展開に持っていくのかと考えたら大体の場合は心霊スポットとかいわくつきの場所に自分から乗り込んで迷惑行為をしてカウンターで酷い目に遭うのが定石なはずなのにこのアニーときたら普通に（度重なる迷惑行為の流れで）立ち寄って迷惑配信をしていた店で不思議な老婆アンジェラを送り届けるように頼まれるという一見怪異と縁が無さそうな普通の場所でそっと怪異を手渡されていたのがもう面白すぎた。
同じくめちゃくちゃやってたコワすぎの工藤さんだってちゃんと怪異的なものに自分から関わって行った結果色々起きてたってのにこいつは違う。
普通に迷惑行為していたら口をホチキスで止められて血と汚物を撒き散らす老婆をパスされるという超展開に巻き込まれているので天性の引きの強さをもったキャラだと思う。
もう「アニーが迷惑行為してたらまたまた怪異に巻き込まれちゃった」ってパターンでシリーズ化して何本も似たようなもん作って欲しいレベルで好き。
関わった人間全員が可哀想になるくらいに迷惑なアニーと怪異の組み合わせは普通のホラーならアニーが酷い目にあって見てる人間をスカッとさせにくるモンだけど本作は一味違う。
怪異すらも迷惑をかけられている誰かのうちの一人に過ぎないかとでも言いたかのようにアニーが怪異相手にしぶとく長く暴れまくるので最後の方はもう恐怖ゼロの笑い100で観てしまえた。
この女、ホラー殺しがすぎる。
「普通のホラーならそこで死んでる」ような場面で何故か生き残るし勝てるわけがない状況で何故か物理的に難を逃れたり場面によっては勝ってしまったりするので多分劇中で明かされていないだけでアニーはフィジカルギフテッドかなんかだと思う。
後デビルハンターに向いてるよお前。
多分あまりにも生存力高すぎるアニーに怪異自身がうんざりしてたと思う。
ホラー映画の怪異としてこのアホ女を絶望の底に沈めるくらい酷い目に遭わせなきゃいけないのに何故か何度も這い上がってギャグみたいな絵面にしてくるから映画全体がこの怪異に対しての迷惑配信行為に他ならなかったし。
本来なら映画終盤に向けてこの怪異はなんなのか、その謎に迫っていくものなのだがアニーはそんなことに一ミリも興味がないので全然謎を謎のままにするというのもらしくてよかった。
怪異の中心にいたアンジェラが何故あの飲食店にいたのか、何故あの女性はアンジェラを預けたのか、何故アンジェラはああなったのか、そして終盤のあの施設やあそこにいた人たちはなんだったのか、アニーが全く気にしないのでもうしょうがない。
こちらもなんとなくで想像するしかない。
ただ倫理観が欠如した女がたまたまフィジカル激強だとホラーなんてただの景色みたいになるというだけ。
なんというか爽快感がすごかった。
と、同時にクソみてえなラップをひたすら流されるクソみてえに斬新なエンドロールで不快感も最高。
爽快感と不快感が共存し得るということをこの映画とアニーは証明してくれた。
ともあれ最低に汚くて最高に笑えるアニーの全力疾走を楽しめる質の高い配信でしたダッシュカム。
惜しむらくはリアルタイム配信なのに決定的な映像を撮っている場面では接続が切れてコメントが流れなくなってたところ。
「本物と思ってる奴らがいるの笑える」とか「どう見ても作り物じゃん笑」みたいに一生しょうもないコメントが流れていて欲しかった！
多分ないと思うけどまたアニーには怪異相手に迷惑行為をして欲しいのでどうにかこうにか続編生まれてほしい。
最高でしたダッシュカム。
似た系統として『デッドストリーム』というのもあるらしいので気が向いた時にでも見ようかね…
すぐにはちょっと…胃もたれしそうだし。はい。
