「どんな能力だろうが見逃さない!!さあ何かしてみな!!」
レオルの師団長補佐を務めるキメラ=アント。
どこがいいのかわからないがレオルに付き従いその命令を忠実にこなし念能力もレオルの利益のために積極的に使うレオルの忠臣のような蟻。
能力が便利なせいで積極的に狙われ死んだ後もその肉体を粉々になるまで酷使され続けた労働基準法がまるで機能しないくらい働いた男フラッタについて。
人物像
もじゃもじゃ頭につぶらな瞳が特徴のトンボのキメラ=アント。
傲慢で不遜な態度、人間を娯楽感覚に殺して回るレオルやその部下達の中にあって性格はやや大人しめ(あくまでハギャ隊の中での比較)。
レオルが他人に貸しを作るための念を用いた手助けをしたりあらゆる作戦の要を担ったりとあの獅子男フラッタ無しじゃ生きていけないんじゃっていうくらいレオルのために尽くしまくっている。
何故そこまで尽くしているのかは不明。
ハギャ隊の他の面々のように血の気多めに人間狩りをしているそぶりも見えないので純粋にレオルの王国論に感銘を受けて本気で慕っているのかもしれない。
ちゃんと改名後もハギャじゃなくてレオル様って呼んでるし自分の能力をレンタルポッドにちゃんと登録させてるし。
レオルについていきたくなるかなぁと疑問に感じるところだがきっと何かしら魅力なりなんなり理由があったのだろう。
能力を用いた周辺探索から部隊への直接の指揮、仲間のヘルプにハギャの恩売りのサポートとハギャの右腕といっても差し支えないくらいハギャにとってなくてはならない存在、というかキメラ=アント側にとっても重要な戦力だったわけだったがよりにもよってノヴに目をつけられ敗北&捕獲&いつの間にか死亡と気づいたら物語からフェードアウトしてしまっていた。
(これに関してはフラッタに落ち度はあまり無く戦闘地域から離れた場所、それも空の上に陣取っていたのにその背後をしれっと取れるノヴがおかしいだけ)
その後はイカルゴに遺体を再利用され死後もこき使われ挙句にはブロヴーダの念弾で粉々にされるなど最期の最期、それも死後においてまでその身は休まることなくこき使われる可哀想な(ある意味美味しい)蟻だった。
同じ副官ポジションのヒナが除念師として後方に囲われ大事にされ最終的に生き延びているのと比較するとちょっと切なくなる。

経歴
2000年5月頃
キメラ=アントとして誕生。
ハギャ隊に所属しレオルの師団長補佐を務める。
女王に献上する餌を集める傍らレオルと共に快楽目的の人間狩りを行う。
その最中人間の中にたまにいる生命エネルギーに満ちているレアモノ(オーラを纏っている人間)を狙うことをハギャが宣言しフラッタ、ヒナと共に出撃。
NGLにてゴン・キルア・カイトと遭遇するものの今のままでは勝てないと悟ったレオルが撤退を判断。
その後ネフェルピトーの命令により授与式(ラモットの攻撃を受けることで無理やり精孔を開く会)に参加。
念能力に覚醒する。
2000年6月中旬頃
王の誕生・旅立ちに呼応するように自らも王となるべく巣立つレオルについて行く形でNGLを出ることに。
道中、自分達を討伐しに来たハンターに敗北。
ハギャ、ヒナと共に深手を追いながら逃げるように東ゴルトーに拠点を構えている王の下へ。
ネフェルピトーの下で返り咲く機会を窺うレオルと共に働くことに。
恐らくここでシャウアプフから能力(サテライトンボ)を授かる。
2000年7月中旬頃(国民大会まであと9日)
ネフェルピトーの命令でネフェルピトーの人形を止めて回る何者か(キルア)の始末を命令されたレオルと共に出撃。
2000年7月中旬頃(国民大会まであと8日)
東ゴルトーに入国したヂートゥがナックルとシュートに待ち伏せされているのを発見。
ヂートゥにその情報を与え接触を回避させる。
ルォントン市の山林に標的(キルア)がいることを発見。
サテライトンボによる追跡をすると共にレオル陸軍にキルア捕獲を命令。
多数の蟻と乱戦しているキルアをマークしつつサテライトンボを使いイカルゴの狙撃の補助など上空からのサポートという形で自身も参戦するがキルアとイカルゴの戦闘舞台が洞窟の中へと移り変わったことで自身の能力をキルアに悟られるリスクを回避するため追跡を終了。
電波信号による会話での状況確認のみに徹することに。
オロソ兄妹からキルア討伐の報告を受けたことにより撤退。
(なおキルアは死んだふり)
ペイジンにてネフェルピトー足止めのための戦闘を行うモラウとノヴをサテライトンボで捕捉、その動向をハギャに報告し続ける。
その最中ノヴの能力が空間を移動するタイプであることを突き止めるが同時にノヴもフラッタの存在を察知。
街を飛来していた蜻蛉がフラッタの能力による偵察行為である可能性を考慮したノヴがフラッタを急襲。
フラッタ敗北。
敗北後その肉体をノヴのハイドアンドシーク内に隠される。
死んだように横たわっているが一応まだこの時点では生存していた模様。
しかしここから討伐軍宮殿突入1分前までの間のどこかのタイミングで死亡。
(死亡シーンは無いため不明。ノヴにやられてそのまま衰弱死したか、討伐軍の誰かにトドメを刺されたかのどちらかだろう)
その後フラッタの死体はイカルゴのリビングデッドドールズにより再利用されることに。
最終的にはブロヴーダの念弾によって死体は粉々に砕かれてしまった。
便利な能力なせいで死後までこき使われた挙句粉々に粉砕されるまで酷使されたのであった…
戦闘力
戦闘そのものに関して言えば大して強くない(はず)。
戦った相手がノヴというとんでもなく強い使い手だったせいで特別何か描かれることもなく気づいたら床に転がっていたため正直なところ強い印象がない。
まあ仮にもキメラ=アントである以上はその肉体スペックはそれなりに高いものではあるだろうが、他の蟻と比べると虚弱そうだなというイメージが根付いてしまっている。
実際のところキルアをマークしていた時もサテライトンボによる状況把握と報告というサポートに専念し自分は相手の攻撃が届かない安全圏である空中に滞空するという自身の戦闘参加を徹底して避けている様子が窺えたことからフラッタが戦闘向きとは言い難かった可能性は非常に高い。
もしかしたら能力が能力だから情報収集に徹していただけでいざ戦えばめちゃくちゃ強かった可能性も僅かにはあるのだがノヴが瞬殺してしまったため何ともか細い可能性しか残っていない。
まあ本来戦わなくてもいい役割だったはずなので、それが何故地面に叩き落とされてしまったのか…
まあノヴが相手だしな…
能力
「可視可視♪どこに隠れようがオレには「視える」のさ」
系統不明
能力名 : 衛生蜻蛉
具現化したトンボを飛ばしあらゆる角度からターゲットを観察することができる能力。
トンボは無数に具現化することができそれぞれが見た映像情報をフラッタの超複眼が同時に捉える。
トンボであるフラッタの強みが遺憾無く発揮された能力だろう。
系統は不明だが恐らく具現化系。
(…にしてはあまりにもサテライトンボの監視網が広すぎる気はするが…)
実在のトンボを操作しているなら広範囲に渡る能力運用も納得いくがノヴの「見慣れぬ蜻蛉」発言からフラッタが作り出したオリジナルのトンボである可能性が高く、レンタルポッドでハギャがサテライトンボを発動した時にいきなりトンボが現れたような演出などからも実在のそれではなく具現化されたトンボである可能性が高いのではないかと思われる。
しかもそれを精密に超広範囲で行使するという。
なので具現化系、放出系、操作系の3つの系統を使いこなすかなり高度な能力ということになる。
まあキメラ=アント念の才能ある奴らばかりだしな…
かなり情報戦に特化した能力でありあのキルアがサテライトンボによる監視をなかなか振りきれず苦しめられたり熟練の念能力者であるモラウとノヴの動向まで抑えられていたりと蟻側にとっての要とも言うべき活躍を見せた。
敵の配置、動向のチェックから敵が能力を出す際にあらゆる角度から観察することによる敵の身体能力から念能力に至るまでの解析など味方が持っていたら最高に便利な能力だろう。
しかもフラッタは上空に常にいるため敵から手を出されない安全圏で監視を行うという徹底ぶり。
なのになんでやられたんだお前。
デメリットとしてはトンボが飛んでいても不思議ではない状況、環境下でないとすぐにトンボが念によるものと見破られてしまうことくらいだろう。
実際キルアが洞窟の中に入った際には洞窟の中にトンボが飛び回っている不自然さを嫌がり能力を洞窟内にまで伸ばすことを自重する一幕があった。
事実だけを書くならキルアはフラッタにマークされていることには気づいてもトンボの存在には気づかなかったしモラウも(恐らくノヴ同様トンボが飛んでいること自体には気づいてはいたが)トンボが敵の念であるとは考えていなかったし(戦闘地域からかなり離れた場所を滞空していたため)フラッタの存在にも気づいていなかった。
唯一ノヴだけがハイドアンドシークによってたまたまフラッタの背後を取ったことで「戦闘地域から離れている場所を飛ぶ謎の蟻」「街中を飛来していた見慣れない蜻蛉」「念能力」を結びつけ情報収集役の蟻である可能性に辿り着くことができた。
キルア、モラウを欺きノヴすらもその姿を視認していなければサテライトンボの存在に気づくのにもっと時間をかけたであろうことを考えると、本編でもかなりの手練れ達を翻弄したこのサテライトンボは相当に優秀であると言って差し支えないだろう。
しかも気づいたところで無数のトンボから身を隠すには何かしらの能力(パーフェクトプランとか)を使わなければ困難だし本体を叩こうにも空という安全圏でふわふわしてるから強力な放出系能力による攻撃ができなければどうすることもできないというクソゲー仕様である。
本当になんでやられてんだお前。
また、この能力の怖さは蟻同士がテレパシーで交信できるところ。
口頭で何も喋らないから音を漏らすというリスクなく味方のみに相手の情報が送ることができる。
蟻であること、トンボであることを遺憾無く発揮した素晴らしい能力である。
ちなみに一応レオルもレンタルポッド経由でサテライトンボを使ってはいたが複眼を持っているわけではないので多分フラッタほど器用に使いこなしてはいないと個人的には考えている。
あくまでフラッタが使ってこそその威力を発揮する能力だろう。
まあ何であれめちゃくちゃ優秀な能力ということに変わりはないが。
改めて何で負けたんだお前
そんなこんなでかなり重要な能力持ちでありそれ故に死なないためのポジショニングにも余念がなかったフラッタだが結局はあっさりと敗北し退場することとなってしまった。
何度も言うがなんでだよ。
本来ならフラッタの存在を視認されようがサテライトンボに気づかれようが空中にいる敵への対処方法を持った念能力者でもなければフラッタをどうにかすることは不可能なはず。
しかもただ飛んでいるだけでなくフラッタは大抵の状況で相手をサテライトンボの監視下に置いているので相手が自分に攻撃を向けようとすることも察知できる。
そこにトンボの持つ昆虫界屈指の機動力が加わるので仮に放出系能力を使えたとしてもその攻撃を当てることがかなり困難である可能性が高い。
でも気づいたらボロ雑巾のように地面に倒れ伏していたのだ。
だからなんでなんだよ。
一番大きいのはノヴがハイドアンドシークによる瞬間移動でフラッタのマークを剥がすことができたこと&たまたまフラッタの背後を気付かれないままとれたことだろう。
さらにノヴが初めてフラッタの存在に気づき情報収集専門の蟻であると瞬時にあたりをつけ即決即断でフラッタを倒しに行った。
これもデカい。
もしノヴの狙いが自分であると気づけばフラッタは即座に安全圏への退避をしただろう。
偶然の産物とはいえノヴの経験と知識、判断の速さによりフラッタに攻撃が刺さりやすい状況が完成したということである。
しかし問題はその先。
空にいるはずのフラッタをノヴがどう倒したのか?だ。
一応ノヴには一撃必殺技のような強力な攻撃、スクリームがある。
両手を合わせ手と手の間に念空間への窓を作りそこに敵を挟み窓を閉じることで相手の肉体の一部を念空間に飛ばす形で切断する恐ろしい能力だ。
しかし横たわっているフラッタの肉体は別にバラバラになっていない。
このことからノヴはフラッタにスクリームを使わずシンプルに殴るか蹴るかで叩きのめしたことになる。
さらに付け加えるとフラッタが飛んでいたのは森林の上であり建築物などはない。
つまりハイドアンドシークで建築物を利用した戦法をとった可能性も薄い。
となるともうシンプルである。
絶で気配を消しトンボに見つからないように(そもそもサテライトンボは街中にいる敵をマークするために使用しているので森周辺には飛んでいなかった可能性が高いけど)森の中へと駆けていき木を伝って大ジャンプ、もしくはツェズゲラの垂直跳びの要領で足にオーラを集中させて一気にフラッタ付近まで飛び蹴るか殴るかして地面に叩き落としたのろう。
(ツェズゲラで16m以上飛べるのならノヴならもっと飛べるだろという妄想ありき)
さらにフラッタの残骸の羽がズタボロになっていたことも踏まえると地面に落とした後羽をむしり飛べなくしてから追撃を加えて無力化、その後ハイドアンドシークの中に拉致といったところか。(むごい)

ノヴクラスならフラッタなんて叩き落とせれば簡単に殺せただろうにそれをわざわざ生かしていたということは蟻側の情報を得るために尋問なども試みた可能性が高い。
もしかしたらその過程で瀕死になったのかも?
とりあえずなんにせよノヴとフラッタの戦闘がほぼ一撃で決したのは間違いがないと思う。
まあマークしていた敵が超高性能な空間移動持ちかつめちゃくちゃ強い熟練念能力者でそいつにたまたま補足されてしまったというのが運のツキだったというお話。