最高の「もうちょっとだけ続くんじゃ」 仮面ライダーガッチャード GRADUATIONS 感想

宝太郎卒業 映画

今回はVシネ版ガッチャード、GRADUATIONSについてサクッと感想でも。

最終回のその後を描いた仮面ライダーガッチャード最後の作品となる本作。

いつもなら最終回の後に後番組のライダーと共演するいわゆる冬映画が去年までならあったはずなのだが2024年にはそれがまさかの無し!
(今後は夏映画くらいでしかクロスしないのかはたまたまた違う形での共闘が用意されているのか…どうなんだい東映さんよ!)

というわけでこのVシネが(映像作品としての)久しぶりのガッチャードとの再会、そして仮面ライダーガッチャードというタイトルを冠した作品とのお別れということになるわけである。

その上「卒業」がテーマとくればお宝ちゃんたちの闘いを1年間見届けてきた身としてこれを映画館で見ないわけにはいかない。

もう気持ちは子供の卒業式に参列する親の気持ちである。

…などと冗談ぽい書き方をしたが実際成長した子供達を見送るような不思議な気持ちになる作品だった。

冗談ではなく本当に「卒業式」を観た感覚なのだ。
ガッチャードを最終回まで追った人たちは騙されたと思って行ってみてほしい。
というか観てくれ。

卒業式であり見事なまでのガッチャード完結編よ。

テレビ版本編で十分ストーリーは完結しているわけだが本作はそのさらに向こう側を描いている。
ちょっーーーっとだけ覗きたいなと思う部分を見せてくれる。

ほんのちょっとの変化かもしれないし嘘みたいな変化かもしれない、一人一人のキャラクターにとっての「その先」を、テレビ版を駆け抜けた人たちにならわかる「それぞれの卒業」がいろんな角度から描かれる

最終回を損ねるような梯子外しもなく安心して見れる「パーフェクトもうちょっとだけ続くんじゃ」
これを本編を見てきた人たちが見ないのは非常に勿体無い。
そんなふうに感じさせてくれる見事な最終回の向こう側にある完結編だった。

まず相変わらず巧い
卒業×錬金術という一見アンマッチな素材だがこれが非常に上手く溶け合っていたし「卒業」を「変化」と捉えスパナが導き出した回答には思わず膝を打ちたくなるような説得力があった。

短い尺の中でスパナを中心にそれぞれのキャラクターの卒業を描きつつタイムループネタや戦闘諸々を詰め込めばとっ散らかって素材同士が殺し合いそうなものだが本作は全くそうなってはおらず全てが溶け合い一つになっていた。
本当にすごい

これはガッチャードが本編で丁寧に積み上げた(観客の中にあるガッチャードという作品の空気感やキャラクター像などの)土台があるからこその感動と説得力だと思う。

まあ尺が短い中タイムループネタをやりつつ丁寧な人間描写をすれば当然だが戦闘シーンは短めあっさりになってしまっえいるわけだがそこは仕方ないかなと思いつつ、そこを楽しみにしている人には物足りない作品にはなっているのかも?

とはいえスパナの成長はこれ以上ないくらい丁寧に描かれておりそこはアクションを殺してスパナを中心にキャラクターの内面描写に比重を置いた甲斐があるくらいの完成度になっている。
本編のスパナの歩んできた道、降りかかった試練を思うと思わず涙がこぼれてくるほどスパナのガッチャード本編に対するアンサーであり卒業だったと思う

あのスペシャルゲストみんな大好き鉛崎ボルトもギャグ要因に近い存在感ではあったけどそれでもちゃんとスパナの成長を描く上で必要不可欠なファクターとして機能していてそこにも感嘆。

ナルト走りする鉛崎ボルト
ナルト走りで駆け抜ける警備服の不審者鉛崎ボルト、生き生きとしたその生き様は本作の癒しポイント。

とにかく素晴らしく、スパナの軌跡を見返したくなるほどに丁寧に作られた黒鋼スパナの総括的作品だったしなんなら3回くらい泣かされそうになったよ僕は…

そして映画のメインディッシュのように予告で流れまくっていた宝太郎とりんねの「言わなきゃいけないことが」のくだりについて、正直なところ予想通りというかまあそうだろうなと大半の人が思ったであろう言葉が続くのだがそこからさらにもう一撃、カカシ先生がオビトに叩き込んだボディーブローのような不意打ち気味な2人のやり取りが待ち受けていて「あ、そこまで踏み込んでくれるんだ!」と驚かされたり。

りんねの言わなきゃいけないことが大半の視聴者に予想されていることを見越していてそんな舐めた連中を一掃するためのシーンだとしたら恐ろしい。
凄まじい破壊力だったし2人の未来をもっと見たい!でもここで終わるから美しい!!と名残惜しさと未来への期待にそわそわしてしまったよ

製作陣が主張してきたように本編から本作に至るまで宝太郎とりんねの関係は(現時点では)性別を超えた友情として描かれているものの、まあこの先の未来がどう転ぶかはわからないわけで

それこそ本作が描いてきた「変化」は必ず起こるものだし。
2人のこの先にどんな「変化」が訪れるのか、僅かな予感や期待を感じさせるような、そして実に2人らしい微笑ましい最高のやり取りでした。

(初登場時から考えれば予想外なミナト先生と鏡花さんの着地点も変化を重ねた先の未来の一例であることを考えればこの2人のような結末が宝太郎とりんねにも訪れないとは限らない。かといってそうなるよ絶対!とも言わない。あらゆる解釈を持った人に優しいアンサーを提示したのも見事だなーなんて思ったりも。)

なんかこう、やはりというかなんというか、在学期間中の姿を本編や本作で見届けて巣立った後の彼らの姿は多分この先なんらかの形で客演とかしない限り見れないんだろうなと思うとちょっと卒業する生徒を見届ける大人になった気分なんだよな

最初の方に言ったけどやはり卒業式よこの映画は

後日談となる冬映画が無いまま最終回以降の映像作品としてこのVシネ一本のみが用意されていることやタイトルがヴァルバラドとかじゃなくて「ガッチャードGRADUATIONS(卒業)」だったりといろんな要因が重なって強く終わりというか締めくくりの作品であるという実感を覚える作品だった

個人的には子供よりも学校を卒業したりだとか、就職したりだとか、たくさんの「変化」を歩んできた大人達の心に沁みる作品になっていてるかなと

当然大前提として子供が見ても楽しめる作品なわけだが、Vシネという媒体なことも影響してか本編よりもウェットな質感に仕上がっているなと感じる。

それこそ人生の節目節目に鑑賞して色々と人生を噛み締めたくなる、そんな作品だなと思うので本作を今見た子供達が大人になった後にこの作品を見返した時どう感じとるのか、ちょっと気になるなーなんて思ったりも。

最後まで細かい部分のつながりだったり人間描写だったりシナリオだったり唸らされる作品でしたガッチャード。

そして締めくくりとして最高の作品でしたGURADUATIONS。

これで…終わりなんだな…

寂しくなるなぁ…

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あんたい

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