「本気で来い」「ヒソカ」
天空闘技場編にて登場し、あのヒソカと因縁があるキャラクターというなかなかに箔のある設定を提げてきた男。
しかもイケメン。
ギド・リールベルト・サダソら三馬鹿とは明らかに一線を画した実力者でありあの時点においての本当の念戦闘というものをヒソカと一緒に見せてくれたということで読者の中でも割と印象に残っているキャラクターだろう。
その末路とともに。
今回はそんなカストロについて。
人物像
サラサラの長髪と甘いマスクにクールかつ優しげな雰囲気を纏った一見ザ・イケメンな男。
その一方で自分に黒星をつけたヒソカに対し強く拘るなど武闘家としてのプライドも相応に持ち合わせているというクールな態度の内側には熱いものを秘めている。
その武闘家としての才はヒソカに見込みありと判断される程度にはあり、実際2年ぶりの再戦ではヒソカにまあまあの深手を負わせている。
にも関わらず負けてしまったのは作中でも指摘されている能力選択ミス、そしてそれ以上にヒソカの言動にあからさまに動揺させられるメンタル面の脆さといったところか。
本編ではヒソカにボロクソに言われてはいるが実際には結構頑張った方ではあるし(選挙編でヒソカにボコされた方々と比較してもだいぶよくやってるよカストロ)その武と念の才能は本物。
念の師匠さえいれば…
とまあ確かな才と努力で武闘家としてかけ上がってきた作中でも結構な逸材だと思う。
ヒソカとかいうおかしな奴に関わったせいで人生狂っちまっただけなんです。
経歴
????年
天空闘技場へ向かう。(バトルオリンピアを目指してか腕試しの一環か、その目的は不明)
1997年
200階へ到達。
ヒソカと対戦するも敗北。その際に浴びた洗礼により念能力者として覚醒。
負けはしたものの、この時点で念を使えないはずなのにヒソカからダウンを奪うという結構な功績を残している。
(この時点でヒソカからダウンを奪えた武闘家はカストロのみ)
1999年4月
ヒソカに敗戦してから戦績と修行を積み上げ遂にヒソカとの再戦が決定。
しかし念の経験値の差、精神面での揺さぶり、能力選択ミスなど様々な要因が作用し結果だけ見ればヒソカの能力の概要に気づくことすらできないまま敗北。
トランプによって全身を次々と裂かれながら一体何が起きたのか理解できない困惑の内に死亡した。
「予知しよう」 「キミは踊り狂って死ぬ♠︎」
その様はヒソカが予告した「踊り狂って死ぬ」姿そのものだった。
戦闘力
実は何気に強い。
ヒソカにボコボコにされた印象が強すぎてなんかかませ犬っぽさがあったりだとかやられ役みたいな印象があるかもしれないがちゃんと強い。
戦闘スタイルとしては素手による打撃攻撃を念で作り出した分身を交え相手を撹乱しながらヒットさせていくスタイル。
決め手である虎咬拳は絶大な威力。
キルア曰く「達人ならば大木を真っ二つにすることも可能」。
(キルアが豆知識的に語っていたことから虎咬拳は固有の能力ではなくHUNTER×HUNTER世界に普通に存在し使い手が複数いる拳法であることがわかる)
念でさらに威力を強化した虎咬拳を分身による攻撃と織り交ぜながら放つことでその殺傷力と命中率を引き上げた虎咬真拳はその安直すぎる雑なネーミングに反してしっかりと恐ろしいスタイル。
現にカストロはこのスタイルによりヒソカ相手に何度も攻撃を当て(しかも序盤はヒソカもしっかりカストロの攻撃に困惑している)出血するレベルのダメージを与えているしヒソカが自分から差し出したとはいえその腕を2本とも千切って落としている。
また、キルアに全く気取らせずにその背後も取っている。
と、このようにさらっと作中でも上澄みな面々相手にすごいことをやってのけているのである。
結果だけ見ればかませ犬全開のぽっと出やられ役のような末路を辿ってしまったが、実は結構ちゃんと強い人物だと思うのである。
これについてはあとでまた詳しく触れていきたい。
能力
「いっそこのまま」「何も解せぬまま死ぬか?」
強化系能力者
能力名 : 分身
文字通り自身の分身を作り出す能力。
(本人は強化系でありながらこの能力自体は具現化系。)
この分身による撹乱を織り交ぜることで虎咬拳の命中率を大幅に引き上げるのがカストロの戦法、名付けて虎咬真拳である。
(実況にすら突っ込まれるまんますぎるネーミングセンス。カストロの可愛いポイントである)
弱点は戦い等でついた本体の汚れは分身に反映されないこと。
これにより本体と分身の見分けが容易になってしまう(致命的すぎる)。
また、ダメージを負いその痛みによって集中を削がれると分身を出せなくなること。
どちらも長丁場・窮地に陥った際に響く致命的欠陥。
短期決戦向きの能力だったはずなのだが…
本編内でカストロが行った分身による戦い方の一例は以下の通り。
①攻撃の瞬間に分身を出し本体は敵の死角へと潜む。
②分身の攻撃が当たるか否かのタイミングで分身を消す。(敵は接近してくる分身に注目している)
③敵はカストロが急に消えたように誤認し混乱、カストロはその隙をついて背後をとり虎咬拳で攻撃。
このやり方は実際にヒソカに向けて使われたやり方であるがこのシンプル奇襲なやり方であのヒソカに結構なダメージを与えている。
これは分身というよりもカストロの扱う虎咬拳の威力がとんでもないからこそであり、この強みを活かす方向に能力の舵取りを行なったカストロの思考は的確だったと思う。
ただしそれが適切な系統診断に基づいたものであったなら、だが。
カストロはウイングからも指摘されたように虎咬拳の威力から考えて実際の系統は強化系である。
にも関わらずオーラで自身の精巧な分身を作り上げる具現化系能力をチョイスしてしまった。
強化系に該当する能力者にとって具現化系能力の習得は困難、つまりは相性が悪い。
しかしカストロはその才能を遺憾無く発揮し寸分違わず自分を再現し自在に動かせるくらいレベルの高い分身の具現化を実現させてしまった。
しかも分身を操るためには操作系も必要でありこちらも強化系との相性は悪い。
この難易度の高い能力を実現させたこと自体はカストロの才能と努力の賜物だが、結局この無駄に精巧で難度の高い分身能力を習得するのにその才能の全てを費やしてしまった。
ヒソカはこれを「容量の無駄使い」と表現しその選択ミスを指摘している。
カストロの悲劇は2つ。
①ウイングのような導いてくれる師匠がいなかったこと。
系統の相性への理解もなく、凝のような応用技も(多分)知らないなどちゃんと段階を踏んで修行していれば学べるレベルの念知識に至るチャンスを持てなかった。
②ヒソカ以外にカストロを苦戦させられる相手に出会えなかったこと。
もしも敗北を喫するような出会いがあったのなら念戦闘のやり方をもっと深く知るチャンスに巡り会えたかもしれない。
何よりも戦闘をしている際分身に汚れがつかないので本体の見分けがつきやすい、ダメージを受けると集中力が削がれて分身が出せないなどという致命的欠陥にもっと早く気づけたかもしれない。
しかしカストロは普通に強かったのでヒソカ以外の敵は難なく蹴散らせてしまった。
ヒソカにたどり着く前にもっと経験を積めていたならば、カストロのセンスであれば反省を活かしヒソカ相手にもっと善戦できた可能性は否定できない。
ただまあ残念ながら能力としては本編内で取り上げられたようにダメな一例であることは否めないだろう。
自身の全身を完璧に再現する分身とかじゃなくて攻撃の瞬間腕が増えて当たるポイントを撹乱する、といったような部分的な分身(?)とかの方が虎咬拳を基点として組み立てるなら効率が良かったのかなあと個人的には考えてしまう。
ちなみに同じ分身能力としてハンゾーのハンゾースキル4、タフディーのザ・タッチがあるがどちらもその中身はダブルと大きく異なっている。

ザ・タッチは範囲を半径20mに限定、(多分)タフディーが目を閉じて横になることの2つを制約に分身を自在に動かすことが可能となっている。
王子の寝室前に護衛がいること、扉で閉ざされていることを考えればまあ壁などの障害物すり抜けが可能な分身だったのだろう。
またハンゾースキル4は発動条件の詳細は不明だがその描写からおそらくタフディーとほぼほぼ同じ条件であり横になり目を閉じること。
タフディー同様本体から別れた分身は壁をすり抜けることも物理的に相手に危害を与えることも可能となっている。
ただし能力発動中に本体に声をかけられたり触られたりすると能力が解除されてしまうという制約が設けられている。
上記二つの能力のように分身を扱うとしても本体は身動きを取れない(無防備な状態に晒している)ことが条件でありカストロのようにどちらも自由自在に動けるなどという都合のいいものにはなっていない。
またハンゾー曰く「オートマじゃなく自在に動かせる分身なら術者にも相応の制約があるはず」とのことであり、本体も分身も自由に動いていたカストロのダブルがいかに異端な能力かが読み取れる。
ちなみにハンゾーは前述の通り本体への干渉が能力解除の条件になっているがこれは本編で実行されたように仲間に見晴らせるなどのチームプレイで解消可能な制約であり、場合によってはセーフティとしても機能するかなり上手い具合に制約を能力の強みにしているパターンだと思う。
(分身が何かしらの能力で隔離されたりだとかで本体へ帰還できなくなる危険への対応もバッチリである)
カストロに関しては制約というものすらも知らなかった感じがあるのでもし制約を含めた念の基礎知識が下地にあって尚且つハンゾーのように制約をうまい具合に利用できていたらもしかするともっと違った結果になったのかもしれない。
無駄に難度の高い能力をセンス無駄遣いであっという間に成立できちゃった不幸…
つくづく才能を無駄に持ってしまっていたことが仇になっているなというところ。
とまあちゃんとすごかったけどちゃんと無駄だったな、そんな印象を覚えるのがカストロの能力である。
(もう一度)強かったよね?
そしてここで改めて、カストロって強かったよな?という再確認。
カストロが短い登場話数の中でやって見せたことは以下。
・念を未修得の段階でヒソカからダウンを取る。(恐らく4次試験の時のゴンみたいにこれでヒソカに気に入られてる)
・強化系でありながらかなり精度の高い分身能力を独学で発現。師匠不在、基礎も応用も学ぶ環境が無い中で強化・具現化・操作を必要とする戦闘スタイルを確立。(選択ミスは選択ミスだけどこれを独学で2年という短期間のうちに成立させているのは凄い)
・キルアの背後を全く気取られずに取る。(同じフロアにいるキルアの存在を常に感じ取っており、キルアの気配が200階から消えたことで警戒レベルを上げるという何それ無自覚に円やってる?な強キャラアクション)
・試合開始早々ヒソカの顔面に打撃をクリーンヒット。しかも何故攻撃が当たったのかヒソカも困惑。(この一撃を与えられる使い手がこの世界にどれほどいることやら)
・二発目でヒソカに出血ダメージを与える。さらにヒソカを防戦一方に追い込むラッシュの速度と攻撃力。(ヒソカを出血させられる奴がどれほどいることやら)
・ヒソカの腕を切断する。(しかも両腕。ヒソカがわざと差し出したとはいえヒソカに欠損ダメージを与えたのはカストロとクロロのみ)
才能しかないだろこいつ。
何度でも書くがヒソカ相手にこれだけのことができる相手が果たしてどれほどいることか。
それこそ旅団クラスとかその辺じゃないと。
というかカストロ以外だとクロロくらいじゃないだろうか、これくらいの大きめのダメージを作中でヒソカに与えたのって。
次点で指をへし折ったりしたレイザーかな。

面子が濃すぎる。
どんな奴らと肩を並べてるんだカストロ。
2発かそこら当てただけで顔面から血が滴り落ちるほどの打撃を与えている時点でカストロが強化系として優れた資質を持っていたことは一目瞭然。
そして虎咬拳の威力もヒソカの腕を軽く吹き飛ばす威力であることからかなりのもの。
ヒソカがわざと腕を差し出しただけだろと思うかもしれないが、そもそもヒソカが「自分の腕を差し出すことで相手の能力を見極める」判断を必要とさせられているという時点でかなりの強敵判定だろう。
作中でも指摘されている通り冷静に戦えばもっと善戦できたはずなのだこの男は。
いくらダブルの弱点を見極められているとはいえ虎咬拳の威力やヒソカに蓄積しているダメージ量を考えればあそこまで一方的に蹂躙されるような結末ではなかったはず。
そして再三指摘したように師匠がいればカストロなら2年の間に凝を始めとした応用技は修得できただろうしバンジーガムの罠に気付けた可能性は高い。
ヒソカ的には与えた2年という期間で念の基礎知識もクソもない系統的に不向きな分身をお出しされたのだから白けたのかもしれないが…
ただダメな能力のお手本として教材消費されるには作中でさらっとやって見せたことがやっぱり結構凄いんですよねこの人。
カストロを導いてくれる師匠も居ないしライバルはヒソカくらいしかいない、天空闘技場の中で成長するには結局ここがカストロの天井だった可能性は否めないわけだが。
ヒソカと再戦する前にキルアやゴンと戦って苦戦なり何なりしてたら少し違ったのかなあ。
結局たらればでしかないが。
まあとりあえず才能だけで言えば作中でもかなり上の方にくる人物であったことは間違い無いだろう。
それが変な方向に花開いちゃっただけで。
うーん無情。
