4作目…ということでトイレの花子さんがテーマだった今回のコワすぎ。
ここまでで一番の傑作では？と思うくらいに纏まりの良さを感じる一本だった。
いつも通り色々と盛り込まれた作品ではあるものの、その中心には投稿者である少女二人の物語がしっかりと据えられており、二人の過去や感情の掘り下げをしながらこの二人の救済へと向かって一時間弱を走りぬく構成になっているので感情移入が今までで一番しやすい仕上がりになっていた。
ギミックやぶっとんだ展開が盛りだくさんかつ映像的にも面白いものが多く、それでいてそれだけで終わることなくちゃんと物語としても纏まりが良くわかりやすくなっているという何気に凄いことをやってのけてる今作。
POVホラーとして完成度の高い一本だなと個人的には思ったりも。
リアルタイムで少女の命がかかっているので工藤さんのキレながら怪異に突っ込んでいこうとする姿勢が頼もしく感じられたり人の死を目の当たりにして感情剝き出しに泣き出す市川やボルテージ上がりすぎな工藤さんと市川に代わって優しさを見せる田代（重いカメラを持って校舎の中を走りまくるフィジカルおばけの側面も見えたよね田代さん）などそれぞれの新しい一面を覗き見れるようなメイン3人の掘り下げにもちゃんとなっていて素晴らしい。
加えて別世界の存在が示唆されるなどコワすぎシリーズの縦糸としても重要そうな情報をチラチラ見せつつタイムパラドックスや時間遡行など「トイレの花子」さんとまるで縁の無さそうなSF要素を同じ鍋に放り込んでいかにも学校の怪談ですけど？みたいな顔してやってくる相変わらずのアクセルフルスロットルぶっとび展開は視聴者の息をつかせる気がまるでなかった。
まあそれはそれとして今回は霊能者真壁先生だ。
「あなた魂を置いてきてますね」などという開幕右ストレートであの工藤さんを閉口させる衝撃の登場は否応なくその実力を期待させるものではあった。
あったが…
思ったよりも遥かに凄かった！！
別の世界についての見識が深く時間を行き来して人を助けた経験もある。
なんなら本も出してる。
いつもなら工藤さんがわけわからんことし出すのに今回はこの人の指示の通りに走ったり電話したりし続けるシーンが大半というか工藤さんがかなりおとなしい。
呪具はどうした工藤さん。
実際真壁先生がいなければ気づくことができない攻略ポイントが多すぎてこの人がいなければ全滅していたと思う。
ゲストとしては最強クラスだったのでは？
能力が優れているだけでなく二人の少女の命と心の両方を救おうとしてくれる出来た大人なところも見えてシンプルに一人の人間として好感度が高い。
この人自分にああいう結末が待っていることを自覚しながらも工藤さんたちを助けてくれたんじゃないかななんて思ってるんだけどどうだろう。
かなりの善人ですよ真壁先生。
心なしか工藤さんもこれまでのゲストキャラへの態度と比較すると真壁先生には敬意をはらってるように見える。
というか最後に添えられた一文から考えてもかなり工藤の内面を揺らした人物及び事件だったんじゃないかな今回。
そして肝心のトイレの花子さん。
まさかの下半身触手のクトゥルフビジュアル！！
その実態はその触手に飛び込むことで時間を飛び越えられるタイムゲート！！
おい嘘だろそうだったのかよ花子さん！！
トイレの花子さんの正体は別の世界に触れてしまった少女の成れの果てという超重要な情報を真壁先生が語ってくれるものの便利な時間移動アイテムみたいな扱いが衝撃すぎてなんにも頭に入ってこない。
トイレから出てくるときの勢いも想像の50倍くらい激しくてスーパーボールかと思うレベルのそれ。
この勢い勝負のジャンプスケアくらいしか恐怖を与える武器も無さそうなのでここまでの口裂け女だのわけのわからん女だの河童だのに比べるとはねるしかできないコイキングくらい安全に感じる。
もうなんならトイレに貼られたテープはがされてなければトイレから出てくることすらできなかったと思ってる。
今回の工藤さんは別の時間の自分たちに遭遇するタイミングわかってるし覚悟も決めたのに「うわああ！！」と驚いたり異次元空間みたいなところで虫のようにカサカサ動いてたり可愛いかった。
そして市川は怖かった
なんなら今作で一番怖いのは市川だった。
普段怒らない人が怒ると怖い。
真実だと思います。
それにしても…
次作タイトル長っ！
