観ると言いながら全然観ないまま一年以上が経過してしまったコワすぎ最新作にして最終作ワールドをやーーっとのこと今更ながらに観た。
スピードが足りない人生である。
結論から言うと面白かった。
それもとんでもなく。
久しぶりの白石ワールドがキマるキマる。
濃厚すぎてもうずっと笑ってたし相変わらずの構成力と魅力的な世界観とキャラクターにどっぷりの1時間弱を堪能できて満足度が非常に高かった。
カメラを止めちゃいけなかったりジャマトの集会所だったりな見覚えがありすぎる浄水場で今度は工藤さんたちが大暴れとかもうそのシチュエーションだけで面白すぎるというもの。
絵に描いたようなホラー映画で全滅するタイプの若者トリオ、刃物を持った女とかいう普通にリアルにいてもコワすぎる女とのチェイス、無駄にじっくりゆっくり見せてくるゲロ、強キャラ然としていたのに怪異が起き始めた途端「東京に帰ろう」「死んだらおしまいでしょ」「物理的に殺されるって!おかしいんだって!」とまともなコメントをしちゃったせいで弱そうに見え始めるおっさん霊能者、唐突にパラレルワールドの解説をし始める市川さん、工藤さんの腹に膝をぶち込む市川さん、倫理観無視バットタコ殴り観戦、そして唐突に始まる何キュアを彷彿とさせる応援上映等々…
あげたらキリがないほどのコワすぎでしか見られない面白場面の積み合わせ、全編見どころフェスティバル!!

シリーズ恒例のパターンやスタイルはもちろん抑えつつ、その中にシリーズ過去作を思わせる要素もぶち込みながらも、同時に世界観が超コワすぎからも一新されているので完全新規の人の入り口にもちょうどいい味わいの作品になっていて「またトンチキやってるように見えてちゃんとした作品やってる!」と作品としての相変わらずの巧さにテンションがちょっとだけ上がったり。
さらにいうと、二転三転するストーリーは目まぐるしいだけでなくきちんと綺麗にまとまっていてこの作品だけで見れば出来の良い読後感最高の読み切り漫画を読んだ後のような満足感を得られるしシリーズの一本として捉えればいつものノリでありつつも工藤さんのパーソナリティに深く触れる内容にもなっていてシリーズの締めくくりに相応しいなとちゃんと思わせてくれる。
素晴らしいよ本当に。
そしてキャラクターもいつものごとく最高。
お馴染みのメンツから初登場のキャラに至るまでクセが強くて大変良い。
一人一人面白かったところをあげたらキリがないくらい全員の見どころだらけ。
相変わらずめちゃくちゃやってる工藤さん、どれだけパニックになろうと決定的瞬間は確実にカメラに抑える田代さんはもちろん、お馴染みメンバーの中でも特に今回は市川さんが光っていた。
「これパラレルワールドじゃないですかね」と真面目な顔で言い出したり工藤さんにカウンター何度もぶち込んだりどう考えたってやばい怪異にフィジカルで立ち向かってそこそこ良い勝負するしと一人だけ世界観一新されてもレベル引き継ぎの強くてニューゲームしてるとしか考えられない屈強な市川さんが面白すぎて最高だった。
やっぱりシリーズ通して結構市川さんおかしかったよなってことを改めて確認できた気がして嬉しい。

あとは何よりも珠緒師匠だろう。
鉄パイプ片手に軽口叩きながら無双するヤンキー女という同監督の『カルト』に登場したNEO様にも負けないクセつよキャラ。
良すぎるだろ…あまりにも!!
鬼村さんが師匠を呼ぶと言った時にはもっと厳ついおっさんを期待していただけに「こんばんニャー」とか言い出すヤンキーギャルが登場した時にはひっくり返りそうになるくらいの衝撃だったがもう本当にキャラクターとしての完成度が高すぎるよ師匠。

ヤンキーギャル師匠とおっさん弟子とかこの組み合わせだけで何本か作品作れるだろどうなってんだ白石監督!
特級術師みたいな頼もしさと漫画の登場人物だったら人気投票TOP10に入りそうなデザインと存在感、ここで終わらせるには勿体なさすぎるので別の作品にも登場してくれ…!!
そして工藤さんの内面にある黒い部分、その暴力性に対する工藤さんの向き合い方を見ることになるとは思っていなかったのでこれは嬉しい誤算だなと思う反面、なんかラストって感じもして寂しさもあったりで複雑な気持ちに。
続きはいくらでも作れそうな作りだし最終章みたいな「完!!」とスッキリ爽やかに言ってのけるような結末ではないにせよ実に「らしい」終わり方でまあこれでこの続きがなかったとしてもそれはそれで全然納得するなと思わせるのが白石作品のすごいところかもしれない。
白石ワールドは今後も多分何らかの形で続いていくだろうしその中でいつかどこかでこのコワすぎの世界観やキャラクターたちが垣間見えたら嬉しいなと見えない未来への期待を貰った気分。
実に良いものを見させていただきました。
とりあえず珠緒師匠は別の映画で再登場させてくれ。
できればNEO様と共演してくれ。