前作とはうって変わってアクションに振り切ったあのM:Iの二作目
それによりスパイっぽさや緊張感が薄くなりストーリーもよくあるシンプルなアクションもののそれになってしまった感は否めない。
だが僕はこいつが好きなのだ
イーサンとナイアの関係性を前面に押し出したは良いが序盤で雑に成立したカップルなせいでこの二人の物語に感情移入できず途中眠くなってしまいそうになるなどがっかりポイントはたくさんある。
しかしこの映画は終盤に覚醒する
バカみたいなアクションと爆発の連続、ジョン・ウー監督の個性を隠そうともしない演出の数々、スパイもクソもないトム・クルーズの派手なビジュアルと立ち回り、それに食らいつくタフすぎる敵アンブローズ、持てる全てのポテンシャルを瞬間的にMAXまで上昇させブレンドした濃厚な30分はそこに至るまでのグダグダも何もかも飲み込みこの映画を全肯定させにくるパワータイプムービー
減点方式だと低い点数になるが加点方式だと高得点を叩きだすタイプ
好きなんだこんなバカがよ…
アンブローズ
M:I 2に良い味付けをしてくれた偉大な男が存在する。
ヒロインのナイア?いいや違う
アンブローズ、M:I 2にてイーサン・ハントと対立するラスボスしかおるまい
イーサンと過去に接点がありお互い顔見知りかつあのイーサンに危険視されるというかなり箔がつく設定をぶら下げた恐ろしい男のはずなのにその実態は性欲を持て余し性欲に敗北した男というなんとも情けなく親近感の湧く醜態を披露してくれた敵
順調に進んでいた計画の最中明らかに怪しい元カノを性欲を満たしたい一心でチームに招き入れ案の定計画とメンタルが崩壊していきその挙句ちょっと泣いちゃう情けなさで観る人に笑いと人生の教訓を与えてくれる
男の抱える脆さに手足を生やしたようなそのキャラクターはシリーズのなかでもなかなか印象深い
僕はコイツが大好きなんだ
「あの女怪しいっすよ」と正論過ぎる指摘をしたヒュー(今作一番可哀想な人)の爪を怒りのまま指先ごと切り落とす余裕の無さや無能っぷりが大変愛らしい
正論は人を救わないことがよくわかる良い映画だ
女のことを抜きにしてもイーサンに対する拗らせというか憎悪が強く君たちなにがあったの?と妄想を掻き立てられる。
イーサンに変装するときに苦労するのは15分に一回見せるアホみたいな顔だなどと気持ち悪いことを口走ったりイーサンの行動を的確に予測したり(的確に予測した割にそこそこピンチになってるのアホすぎて好き)と昔からイーサンのことをたくさん考えてきた形跡が見られもう君イーサンのことクッソ好きなのでは…となってしまう
本当に何があったの君たち…
そして当然この映画最大の盛り上がりはイーサンVSアンブローズ
バイクで追いかけまわし抱き合いもみ合い殴り合い
なんかアンブローズの抱えてる感情が重すぎてラストバトルがラブシーンにしか見えない
これは僕がおかしいのか?
アンブローズがおかしいのか?
イーサンの蹴りをバカスカ食らっても岩に後頭部を打ち付けても何度でも立ち上がるそのしつこさは最早ギャグ
よくわからんイーサンとナイアの恋愛ドラマよりよっぽど濃密な何かを感じさせたアンブローズ
お前こそこの映画の裏主人公だ
イーサン
そして外せないのがこの男イーサン・ハント
スタントなしのガチロッククライミングを冒頭から披露しそのイカレたアクション脳で観客をのっけから引き付けるスターっぷり
秒で女を落とし秒でベッドインする感情移入もクソもない雑な展開はまあトム・クルーズかっこいいしな…と力づくで納得させてくる理不尽な顔面力。
中身以上の説得力を持たせるビジュアルの暴力。
やはりイケメンは強い
肝心のアクションはというと何故か今作のイーサンは足技を多用する。
それ拳でよくない?という場面でもなぜか空中で回転しながら蹴りを入れたりする。
まあ…かっこいいからヨシ!!
黒コート+サングラス+トム・クルーズ=かっこいいの公式を使いそこにバイクも悪魔合体
ラストバトルのバイクアクションは馬鹿笑いするほどに派手でそれまでの微妙な感想を吹き飛ばしてくれる。
スパイ映画?
ないよそんなものは
鳩
そして最後。
どうしても外せない存在がこいつ
ジョン・ウーといえば鳩!
今作でも唐突に現れインパクトたっぷりの絵面を提供し見る者をしっかりと困惑させてくれる。
鳩の中を駆け抜け爆炎の中から鳩と一緒にログインしてくるイーサン・ハントが見れるのはM:I 2だけ!!
これいる!?と思う人もいるかもしれない
いるでしょ