完成形その始まり ミッション:インポッシブル3

イーサン・ハント 映画

誰が真の敵で誰が味方なのか疑心暗鬼になるサスペンス風味な1と派手なアクションでエンタメに振り切った2、この二作の間を取りバランス良く作られたM:Iシリーズ三作目。

暗すぎる1やアクションに振り切り過ぎた2などと比べその間をとったような堅実なバランス調整がされておりかなり完成度が高い。
評価の高い4作目以降のM:Iシリーズ作品のベースはこの3であり完成形であると個人的には思っている。

仲間の活躍は確かにあるはるものの結果的にほぼイーサンの独壇場となっていた前2作と比較するとチーム全体での活躍が描かれていたのが今作の特徴の一つだろう。

教え子のリンジーが殺されたことへの怒り、最愛のジュリアが脅かされそうなことへの焦燥など精神的余裕を奪われたイーサンを周りから冷静に支えるルーサーを始めとするチームの面々の描写はイーサンの格を下げることもなくかなりバランスのいい描写がなされている。
いつか再集合してほしいと思ってるんだが…

アクションもかなり質が良く派手な銃撃戦からヘリ同士のチェイスなど見応えたっぷり。
個人的お気に入りは橋の上に向けて攻撃してくるヘリから全力疾走でイーサンが逃げてるところ。
逃げながらも攻め気を失わないイーサンが輝いてて大変良い。
尖り過ぎていた前作と比較すると若干の物足りなさがあるかもしれないがそれは多分2がおかしかったんだよ、きっと

そしてこのM:I3の最も大きな特徴がシリーズ重要人物ジュリアの登場だろう。
今作だけのヒロインかと思いきやシリーズを通してイーサンが最も愛した重要人物としてたびたびその存在をちらつかせてくる。
イーサンの強さも弱さも引き出しイーサン・ハントというキャラクターに厚みを持たせてくれる存在でもあったと言えるだろう。

まさかシリーズを通してこんなに重要な存在として扱われるとは思っていなかったけど…
ナイアみたいに次作ではいなかったくらいの扱いになるものとばかり

そして前作同様今作も悪役が光っている。
死の商人デイヴィアン
この男、アンブローズのように面白いわけではなく、怖い
ただただ怖い

デイヴィアン
強いとかじゃなくて淡々と厭なことをしてくる本当に怖いタイプ。イーサンを泣かせた男。

兵器や情報を諸国に売りさばいたりテロ組織の支援も行う笑いを挟む隙の無いゴリゴリの超危険人物なわけだがやり口もしっかり冷酷残忍。
拷問・尋問の現場にちゃんと出てきて自らの手もしっかり汚していくしイーサンとの戦闘に(そんなに強いわけでもないくせに)自らも参戦するというこの手の高いスーツを着て華やかな表舞台を歩いているタイプの悪役には珍しい前線スタイル。

イーサンの尋問にも口を割ることないどころか逆にイーサンを脅ししっかり秒で報復してあのイーサンを文字通り泣かせた意味の分からん胆力の持ち主。
そしてしっかりイーサンの頭にも爆弾を埋め込んでいく

だから怖いって

ジュリアというイーサンの日常を脅かす相手としてこの上なくおっかない立ち回りを見せてくれたデイヴィアン。
シリーズで最も厭な敵だった。個人的に。

イーサンの肘
連続エルボーからの体当たりという殺意しかない攻撃をだすところまでデイヴィアンに追い込まれるイーサンが楽しめるM:I3

まあとりあえずそろそろまとめるとして
ちょっとシリーズの中では地味なところも否めないもののもう少し話題にあがってもいい作品じゃないかなあとは思う。

ある意味シリーズ完成形の骨格とも言える名作じゃなかったかなと個人的には感じているので。
散々苦しい思いをした先にある解放的なラストの爽やかさはシリーズ最高のそれ
最後のルーサーが良すぎてこれ完結作でもまあ納得しちゃうなってくらいの爽やかさ

などと書いておきながら僕はゴースト・プロトコルこそがこれで終わりでも良いと感じるほどの最高傑作だと思ってるわけですが

それはそれ

3もいいんだよ!!


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あんたい

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