シュート=マクマホンについて

シュート=マクマホン 漫画

「お前達に教えてもらった。認めるからこそ死力で戦わねばならぬ時があること…!」

キメラ=アント編にて初登場しゴン、キルアらと共に討伐軍の一員として王討伐任務に参加したUMAハンター。28歳。

ナックル同様モラウの弟子でナックルとはコンビを組む姿が多く描写された。
また、直接的な戦闘描写は少ないが精神的に不安定だったとはいえキルアを完封するなどその実力の高さを感じさせる活躍も見せてくれた。

ただ読者目線からは度重なる休載期間も相まって付き合いを長く感じるキャラのはずなのになんやかんやとわからないことの方が多い不思議なキャラでもある。

今回はそんなシュートについて。

相棒のナックルとは対照的に弱気で臆病な性格。

平時は冷静に状況を見て激情家なナックルのブレーキ役にもなるがいざ自分で行動しなければいけない場面になるとその弱気な性格が災いし尻込みすることがあり、念能力者として高い実力を持っているはずなのにその性格によって中々勇敢な一歩を踏み出すことができない姿が度々描写された。

そういった性格はちゃんと自覚しており「危険や好機と向き合うことを恐れ逃げて安全な檻の中で自分の言葉すら隠し何者からも傷つけられまいとしていた」と見事に自己分析し、その上で「そんな自分がいやだった」と自己否定をしてしまっていた。

だが自分より一回り以上年下、そして弱いはずのゴンがナックルやユピーに迷わずに果敢に挑みに行こうとするその姿に心が揺さぶられ最終的には自分の檻を壊し精神的に大きな成長を遂げることとなった。

ぶっつけ本番のユピー戦で思いつきの奥義を開発するなど逆境時のメンタルの強さは異常であり今までのビビりはなんだったのかと言いたくなるくらいの激変ぶりである。

元々逆境時には独特の思考展開によって本領を発揮するタイプだったようなので何かきっかけさえあれば大きく変わることができるところにはいたのだろうなとは思う。
本人はゴンに自分を変えてくれた恩人と一生レベルの感謝をしていそうだけど。

見るからにそりの合わなそうなナックルはともかくとして師匠のモラウの言葉すら「でもお前ら強いじゃん。弱い俺のことなんてわからないでしょ」みたいなレベルの思考で断絶していたあたり自己否定し始めたらとまらなさそうなところはかなり親近感がある。
シュートはゴンに感動してたけど僕は自分の檻の外に大きく踏み出す勇気あるお前の姿に感動したよ。

そもそもシュートは人を傷つけることが嫌いという優しい人間であるためそうしなくてはならない時に自身のブレーキを踏んでしまうという心理は仕方のないことだとは思う。
それでもハンターという荒事に巻き込まれやすい道をわざわざ選んだあたりUMAハンターとしてやりたいことがちゃんとあって選んだ道だったのだろう。
ナックル同様その辺の背景はバッサリカットされてしまっているため想像するしかないわけだが。

????年 UMAハンターになる。モラウの下で念の修行。ナックルと知り合う。(この辺の前後関係は一切語られていないので不明。)

2000年 ナックルと共にNGL行きを賭けた割符争奪戦に参加。ゴンとキルアを倒しNGLへ行きカイトを回収。

キメラ=アントの王討伐のためにナックルと共に東ゴルトー共和国に潜伏。

王討伐軍の一員としてゴン、キルア、ナックル、モラウ、イカルゴ、メレオロンと共に王宮に突入。(ナックルと共にVSユピー担当)

突入直後ユピーと接敵。
その直後宮殿に降り注いだゼノのドラゴンダイヴに動揺し動きが固まってしまう。
モラウを含めほとんどの者が困惑する中ただ1人だけ的確な判断で行動するゴンの姿に感動し精神状態が最高潮に。
号泣し絶叫したいほどの感動!!!!

生きてお前に言う!!ありがとうと!!!

ユピーの攻撃で足を潰されるもナックルのハコワレをサポートするためにユピーとの勝負に挑む。
追い込まれた状況の中自分の能力の奥義に目覚める。
逆境を糧に シュートは翔んだのだ

致命傷すら恐れない無謀な突進によりホテルラフレシアでユピーの複眼一つを奪うがその肉体的なダメージはゼロ。
対照的にシュートはユピーの猛攻でじわじわと命が削られていくがそれでも役割を果たそうと戦闘を続行しようとする中ナックルが乱入しそのままバトンタッチ。

瀕死の状態でいるところをノブに救助される形で戦線離脱。
医療班の治療を受け一命を取り留める。

その後病院でナックル、パーム、イカルゴらと共にゴンが送ってきたコクチハクチョウの映像を見ている姿が確認されておりそれが本編最後の登場となっている。

強い。

…が、戦っている姿がちゃんと描かれたのがキルアとユピーの二戦のみ、それもユピー戦に至っては戦闘時間が十数秒かそこらと短い時間での攻防だったので能力を含めてその強さを見せる機会に中々恵まれなかったと感じるキャラである。

相方のナックルの戦闘描写がふんだんにあった分余計に。

ただ精神的に不調かつ実戦修行の機会がゴンに比べ少なかったとはいえあのキルアを完封し勝利を収めているだけでまあ十分すぎるくらいには強さをアピールできでいるのかもしれない。

イルミの呪縛というキルア備え付けの危険センサーがビンビンに反応する相手なのでかなり強い部類だと思うんだけど、このセンサー、ラモットにまで反応しちゃってるので判断材料にするにはちょっと信用が薄いなと思ってしまう。
ラモットも強いのか弱いのかかなり困るキャラなのでその辺の話を交え出すと訳のわからないことになりそうなのでこいつに関してはここではこれ以上触れないでおく。
(ゴンのジャジャン拳で仕留めきれなくてイルミの呪縛が発動する敵って字面だけ見れば相当ヤバい敵だとは思うんだけど…)

とりあえずユピー戦を見るだけでもその手数の多さと機動力を活かしあのユピーを相手に超短時間とはいえ真っ向勝負をほぼサシで行えているのでシュートの強さは疑いようがないだろう。

掠っただけでナックルの全力一発分以上のダメージを与えるようなユピーの怒涛の攻撃の嵐に飛び込んで生存できる念能力者が果たして作中どれくらいいるのか。
(能力の向き不向きもあれど旅団クラスでもユピーの相手厳しくない?と個人的には思ってる。)

ナックルはもっと長い時間ユピーと戦えたのにシュートはちょっとの間しか戦えてなかったから弱い、とする人もいるだろうがそれについては後述する。

いや強いって!それもかなり!
…多分!

「まだ翔べる…!!!!まだ…」

操作系能力者
能力名 暗い宿ホテル・ラフレシア

一定以上のダメージを与えることで対象を籠の中に閉じ込める能力。

閉じ込める対象は全身でも肉体の一部のどちらでも可。

シュートは常に左腕部を大きな布で覆い隠しており、その中に「3つの手」「籠」をしまいいつでも取り出せるように持ち運んでいる。
ただし「籠」に関しては一考の余地があり、こちらに関しては後で触れることにする。

浮遊する3つの手を操作しそれを用いて相手に打撃ダメージを蓄積させていく。
いわゆるファンネルのようなオールレンジ攻撃と思えばいい。
発動条件はシュート曰く「相手を傷つけること」。
これはあくまでもダメージを与えた相手を籠に閉じ込める効果についての言及であり手と籠を浮遊させる条件には当てはまらないものと考える。

また、電撃を放とうと突進するキルアを浮遊する手で攻撃した際、手がオーラを吸収しているかのようなコマを挟み「電撃か、怖いな」とキルアの次の手を察し距離を取るシーンがあることから、「ダメージを与えることで相手の一部を奪う」という能力の影響で性質変化したオーラを感知する副次効果があると思われる。
これに関してはキルア戦以降そんな描写が一切ないためシュートの洞察力によるものとする声が多いが個人的にはわざわざ浮遊する手の意味深なアップを挟んだことから能力によるモノだろうと考えている。

体の一部を奪っているのと同じようにオーラを奪っているわけではないだろうけど。
そんな効果があるならユピー戦の時に言及されて然るべきだし本当に性質を変えたオーラだから気づけた、とかそんなレベルのたまたま効果じゃないだろうか。

多分!!

ホテルラフレシアの基本戦法は浮遊する手で絶え間なく攻撃を重ねながら同時にシュート自身も攻撃、相手にダメージを与えてその部位を籠の中に封じていくやり方。
手の攻撃速度とシュート自身の格闘能力の組み合わせは凶悪であり、あのキルアが間合いをあっさりと詰められ左顔面を奪われるほど。
(キルア自身がイルミの呪縛に抗おうとして動きが鈍くなっていたことがそもそもの原因ではあるが)

また、ユピー戦で浮遊する手の上に乗るという奥義を開眼し怒涛の攻撃を重ねユピーの複眼を一つ奪っている。
(普通なら目ん玉一個奪うって大層なアドバンテージのはずなんですけどね…相手がバケモンすぎたね…)

本編内の描写から考えると、顔面や目などの部位単位であればそこまで大ダメージを与えなくても封じることは可能と思われる。
また、部位の剥奪をさらに他の部位他の部位…と重ねていく形で最終的に全身を籠の中へと閉じ込めるのかな?と思っているが情報が少ないため個人の考察に留まる。

そう、とにかくこの能力は情報が少ないのである。
わからないことの方が多いのだ。

ホテルラフレシアの核とも言える相手を閉じ込めるための籠、これも実在する籠を操作しているのかそれとも具現化した籠を操作しているのかすら不明。
手に関しては操作された実際の物体であることをキルアが断言しているものの籠に関しては不明なのだ。

操作系の能力で手と籠を操る、というのならわかる…が、問題は「相手を籠の中に閉じ込める」という能力の肝とも言える特性だ。
籠に閉じ込められた相手は小さな人形サイズになり籠の中に囚われる。
この原理を操作系能力の範疇で再現可能かどうかが正直疑問なのである。

念で作った特殊な空間に相手を飛ばして閉じ込めているにせよ実在する籠の中に相手のサイズを縮小し閉じ込めているにせよそれは具現化系能力の範疇では?と思ってしまうのだ。

なので「手」は操作系と放出系によるものだが、「籠」はその特殊な効果から具現化したものではないかと考える。

操作系でもそういう変わった効果を付与することが可能だよ、というだけの話かもしれないけど。

ホテルラフレシア
ホテルラフレシアについて考え出すとそもそもほんとにお前操作系なの?と疑いたくなるまである。

さらにもう一つ謎なのが初登場時に見せた「手のひらに物体を閉じ込める能力」。
本編で使われたのは僅か2回。
割符、ケータイ、それぞれを手のひらの中に閉じ込めている様子が描かれた。

まるで全然説明がないままシュートの出番が終わってしまったのでこれについても想像することしかできないのが現状である。

ホテルラフレシアの派生、応用といったところだろうか。
ホテルラフレシアが持つダメージを与えた相手を閉じ込めるという特性から考えるに、物体を握りしめる(握りしめることでダメージ判定)→手のひらの中に物体が閉じ込められる…とダメージを与えるという条件下の下で発動している同一能力であると個人的には考えている。

付け加えるなら対象は無機物、それも割符やケータイのような手のひらサイズのもののみ、そしてしまっておけるのは複数ではなく一つだけといった条件もあると思う。

シュートが任意で解くかもしくはシュートを気絶させないと解除できないことを考えればゴン達との割符争奪戦の目的物そのものである割符を手のひらの中に封じたのはかなり効果的な使い方であると言える。
相手に秘密にしておきたいものを隠し持つには便利で効果的な能力ではあるのかもしれない。

ただあくまでもホテルラフレシアの本命は籠の中に閉じ込める効果の方であり手のひらにしまう効果は「ついで」の副産物だろう。

個人的に気になるのは「失われたシュートの左腕」「3つの手を飛ばして操作するという特性」から滲み出る不穏な気配。
操作系能力は使い込んだモノでないと威力・精度が上昇しないことが多く愛用品を失うことが致命的なリスクにもなるとされている。
じゃあシュートの操るその手は一体…?

結構な精度で使いこなしていたように見えるので自分の手を飛ばしている可能性は高い。そうすると他の二個は誰の…?
仮にこれが作り物の手だとしてもこれに思い入れがあるのはまあまあ怖い。
コトブキヤハンドであることを祈る。

左腕がないことに何か繋がるんだろうけど詳細が一切語られないので何もわからない。
フランクリンのように能力の威力を底上げするために自分で左腕を切り落とした可能性も0ではないが本人のビビりな性格を考慮するといや流石にそれはないだろうと思う。
…思いたい。

とにかくその背景を含め謎の多い能力である。
クロロのスキルハンターの中に入ってそうな心の闇を感じる能力だなと個人的に感じるがまあ絶対考えすぎである。

とにかく、対象を捕獲・無力化するために作った意図を感じるUMAハンターらしい能力だなと思う。

そして大活躍したユピー戦について。

精神的成長、奥義開眼、ハイスピードバトルと演出がかっこよくてうっかり忘れそうになるがユピーと戦っていたのは十数秒かそこらであり、瞬く間にボロボロになり戦闘不能に陥っているのが実際のところである。
この辺を理由にユピー相手に無傷であと少しのところまで追い詰めたナックルと比較して「シュートは弱い」と評価する読者がいるが個人的にはそうだろうか?と疑問を覚える。

そもそもナックルとシュートとではユピーと戦っている時の事情も本人の戦い方も微妙に違う。

ナックル、シュート、ユピー
ナックルは「逃げ」、シュートは「攻め」、ただそれだけのこと。

まずナックルは能力の性質的にも本人の特性的にもヒットアンドアウェイ、つまり攻撃を避けまくりユピーが破産するまでほぼ「逃げ」に徹していた。
かすり傷一つでナックルの全力の一撃以上の攻撃を与えてくるユピー相手にその懐にむやみやたらと突っ込んでいくことは愚策だ。
だからこそナックルは大きなスキが生まれた時以外ユピーに攻撃を仕掛けに行こうとしなかった。

ではシュートはどうか。
シュートは「逃げ」ていたのではなく「攻め」ていたのだ。
それはモラウたちを無事走り去らせるため、そしてナックルのハコワレをサポートするために目の前のシュートという敵にユピーが集中するよう仕向けるための判断だ。

事実この攻撃はコンマ数秒とはいえユピーの全神経を防御に集中させ、モラウ達の離脱の成功を果たしている。
後はユピーがモラウ達を追いかけないよう引き続きユピーの意識を自分に向けさせなくてはならなかっただろう。

同じことをナックルがしたとしてユピーのあの猛攻を受けきれたとは思えない。
シュートとそう変わらないくらいの速さでボロボロになっていたんじゃないかなと思う。
ただナックルは能力の性質や目的上それをするメリットがまるで無いからしなかっただけで、シュートもまた能力の性質と自身の目的上ユピーに可能な限りの猛攻を仕掛けるほかなかった、ただそれだけの差異だろう。

シュートが粘った十数秒の間にナックル以外の仲間は目的の場所に散開、モラウに関してはスモーキージェイルでプフの分断にも成功しており作戦にも十分貢献したと言える。
(元々は王と護衛軍の分断が一番の目的だし)

少なくともシュートは役に立たなかった、なんてことはないわけである。
誰か1人でも欠けていたら多分失敗するミッションだったと思ってるので、王討伐任務は。

今後シュートに出番はあるのかについて。

ナックルの記事でも触れたように、師匠のモラウが暗黒大陸のミッションに参加することが示唆されており、弟子であるシュートにも出番が割り当てられる可能性は高い。
本人もUMAハンターと暗黒大陸に行く理由しかなさそうなハンターだし。

仮に登場したとしても顔見せとかちょい役レベルだろうな、とは思うけど。

ただホテルラフレシアの掘り下げがまだ全然されていないので頼むから登場して念能力をバリバリ使う大活躍をして欲しいと個人的な願望を抱いている。

戦闘シーンほぼカットかあっても超格上相手なせいで能力の全容を見せる前にズタボロにされたりとかしかしてないのでほどほどの敵相手のバトルを一度でいいから見せてほしい。

ビヨンド一派とどんちゃんバトルしてくれ!!

まだ翔べる!お前はまだ翔べるんだシュート!!

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