「てめぇら!もしもエリザに指一本ふれてみやがれ!」
ヨークシンシティ編にて登場しノストラード組の一員としてクラピカサイドの物語に関わった人物の一人。
ギャグみたいな扱いから始まった初登場時からの落差が半端じゃない可哀想な最期にやっぱり裏社会なんかに関わるべきじゃないよということをその身をもって我々に伝えてくれた悲しき男。
そして犬をこよなく愛し愛された男。
そんなスクワラについて。
人物像
ハンターでは無いものの念能力者でありノストラード組でも一番の古株。
そんなベテランでありながら貫禄のカケラも無くひたすら焦ったりビビったりする弱気な姿ばかりが印象に残るノストラード組リアクション担当。
もう一般人くらいの感性でリアクションをしてくれる。
それもこれも全部幻影旅団とかいうトンデモ無法者集団のせいだろう。
犬を操れる以外のスペックはほぼ一般人レベルにしか思えない男だがまさかの美人な彼女がいるという事実。
ネオンの侍女であるエリザと真剣に付き合っておりエリザを養うために将来について悩む姿も見られた。
しかし急に彼女との将来について言及するという、死人が出るタイプの漫画では危険すぎる死亡フラグを建てた挙句案の定旅団に捕まり道端で首を刎ねられるという可哀想な最期を遂げることになってしまった。
動くなってノブナガに言われたけど動かず従順にしていれば生かしてもらえたのかな…
旅団にしてみればマフィアなんて生かしておく理由もないし結局殺されてたような気もするが…
旅団に捕まる要因となったのがボスが欲した緋の眼(本物ではなくコルトピの円効果付きコピー)を持って逃げてしまったからという、仕事を辞めると言っていた割になんとも真面目というかちゃんとしちゃいすぎてたというか、仕事をぶん投げることがいざという時にできない(とはいえマフィアの仕事だから適当にこなしたら後が怖いからな…)という共感しちゃいそうな理由なのが余計可哀想である。
スクワラが現実を見据えて危険な仕事から身を引こうとしていたのは事実であり、その判断がもう少し早かったらな…とか逃げる時に律儀に緋の眼なんか持っていかなければな…とか色んなポイントで死亡回避できた可能性を見出すことができてなんだか悲しい気持ちになってしまう。
そもそも幻影旅団が暴れなければ市・マフィア・警察が協力して運営している以上ヨークシンシティでのオークションは安全だったはずであり、それがあんな有様になってしまった時点でスクワラの運は尽きていたのかもしれないが。
なんか滞在しているホテルめがけて旅団が接近してくるし逃げる時に競り落とした商品を真面目に持っていったらそれが原因で場所を特定されて捕まるし、腕折られるし。
散々である。
ちゃんと可哀想だなと思える男だよ。
でもこいつ絶体絶命の状況下でもクラピカのネタを売らなかったんだよ。
真面目で現実的で…だからこそ余計に憐れみを覚えてしまうのかもしれない。
経歴
????年
ノストラード組に加入。(リンセン曰く一番の古株らしい)
1999年
ノストラード組の採用試験にてクラピカ達を試すための潜入者として参加。
クラピカとセンリツによりその正体を見抜かれバショウのグレイトハイカーの威力を前に自らが潜入者であることを自白。
更にはヴェーゼのインスタントラヴァーを食らい自分の能力や何を仕掛けたのかまで全て自白させられてしまう。散々である。
9月1日
ヨークシンシティ地下競売にてネオン護衛の任に就く。
幻影旅団による地下競売襲撃が発生。マフィアンコミュニティーからの褒美を目的にダルツォルネが犯人(旅団)追跡を決断。スクワラもクラピカやダルツォルネらと共に急行。
クラピカが現場で暴れているウボォーギンを捕獲。
ダルツォルネらとともにウボォーギンの尋問に立ち会う。
ウボォーギンを助けに来た旅団によりダルツォルネ殺害。
拘束を解かれたウボォーの叫び声を聞いたスクワラら、ウボォーを拘束していたビルから脱出。
9月2日
ダルツォルネに代わる代理のリーダーとしてクラピカに一票を投じる。
9月3日
クラピカ、セメタリービルにて行われた競売で緋の眼(コルトピがコピーした偽物)を落札。
9月4日
旅団、コルトピのコピー(緋の眼)が持つ円の効果を頼りにノストラード組の位置をホテルベーチタクルと特定。
クラピカを狩るためにホテルベーチタクルへと進行。
クラピカ、旅団の進行方向から目的地を察しホテルベーチタクルで待機していたスクワラに逃げるように連絡。
スクワラ、荷物を置いていく判断をするもよりにもよって緋の眼(コピー)だけは持っていくことを決断してしまう。
逃亡の最中ノブナガ、パクノダ、コルトピにより捕縛。
「オレはここで」 「死ぬ」
パクノダに腕を拘束されながら尋問を受ける。
質問をはぐらかした瞬間その腕をパクノダにへし折られてしまう。
痛みに苦しむ中鎖野郎(クラピカ)について、ウボォーの居場所について、他の仲間の居場所について、そして大切な人はいるか聞かれた末最期はノブナガに首を斬り捨てられ死亡。
「動くなっつったろーが」「二度もよォ」
パクノダに触れられながら質問をされている時点でどんな虚偽も無意味ではあるのだがこの時スクワラは死の予感を覚えながらも自分の口からクラピカも他の仲間の情報も得ることはなかった。

戦闘力
描写0のため個人的な決めつけに過ぎないが戦闘力は他の念能力者と比較するとほぼ無いと言ってもいいレベルだろう。
念能力を修得している以上基本的なことができる可能性はもちろんあるがそれを見せる場面がまるでない。
(あったところで旅団相手に何ができるんだって話だが)
ノストラード組の試験をスクワラも通っている以上最低限の技術はあるとは思うが…
まあそれもプロハンタークラスではなくアマチュアレベルの中では最低限のことはできるくらいのものであり、あくまでも犬を扱う能力が諜報や護衛に適していると見込まれての採用だった可能性が高いと個人的には考えている。
なので念能力者としてはギリギリ最低限、練や絶などの基本がちょっとできますレベルでありその精度も期待できない可能性が高いと個人的には考えている。
念を扱える以上一般人よりは強いのだろうが念能力者としての戦闘力はかなり下の方ではないだろうか。
良くてグリード・アイランドから出られずにいる能力者レベルかなと思ってる。
いやもしかしたら過大評価かもしれない…

能力
「すでに「ある命令」を念じてある」
操作系能力者
能力名: 名称不明 (飼い犬を操作する能力)
飼っている犬を操る能力。
多種多様な犬に命令を与え意のままに動かすことができる。
それも恐らく強制型ではなく対象に選択の余地を与えつつ術者のために対象を動かす要請型だろう。
その用途は番犬、お使い、スパイ、更には鳴き声をモールス信号のように駆使することで複雑な会話もこなすことが可能となる。
制約は操る犬の世話を全面的にスクワラがしなくてはならないこと。
敵の多い裏社会の中で組の要とも言えるネオンを護衛したり時にはネオンや仲間の食事に毒が入っていないかの確認、危険度の高い場所に自身ではなく犬を先行させることもできたりとそこそこ重宝されていそうな能力だ。
しかし犬自体の戦闘力はおそらく番犬に毛が生えた程度のものであり、護衛に際しては危険物や危険人物の探索の方にこそその役割が期待されていたと思われる。
(戦闘用の犬もいたのかもしれないけど)
爆弾括りつけて特攻なんてことも可能なように思えるがスクワラ自身が犬のことが大好きな愛犬家である以上過度にリスクのある行為は取らせることはないだろう。
現に自分の死を予感しているタイミングで犬を使った抵抗をすることなく犬を逃すなど自分の命よりも優先して犬を守ろうとする姿勢が見られたことからもいかにスクワラが犬を大事にしていたかがわかる。
ただこの能力の残念なところはあくまでもスクワラが飼っている犬しか扱えない点だ。
その辺を歩いている野良犬なんかにこの能力を使えればもっと幅が広がっただろうにそれが不可能となっている。
ブリーダーよりも多少色々できるくらいの能力にしか思えず、いくらスクワラ自身が犬に思い入れがあるにしてもこれをわざわざ能力として修得したのはどうなんだろう?と甚だ疑問である。
個人的な考察だがこの能力はスクワラが犬を世話する日々の中で自然に発現した能力なんじゃないかと思っている。
日常的に犬を世話する内に気づいたらとんでもなく色々犬に命令できるようになっちゃっててそれを活かしてノストラード組で仕事をしようと決めたのではないだろうか。
であれば「犬を操る」能力でこれほど操作範囲の狭い能力になったことにも納得がいく。
犬を操る能力にすることを考えるのであれば普通ならもっと別の制約を設けて飼い犬以外の犬も操作できるように能力の対象範囲を広げるんじゃないだろうか。
このことからスクワラの能力は彼の日常の一部に組み込まれた行為から自然発現した能力であり彼自身が望んでそう設計した能力ではないということだ。
というか自然発現とでも飲み込まないとわざわざ貴重なメモリを消費してまでこの能力を得るか…?という疑問が拭い切れないだけではあるのだが。
あとこの能力なら犬カフェとか開いて危険な裏社会とは無縁かつ能力をダイレクトに収入に繋げられる仕事を見つけた方が良かったんじゃないかな…
いくら収入が良くてもマフィアなんて…
エリザと犬
スクワラの死後、犬とエリザはどうなったのだろうか。
本編ではその後について一切触れられないまま物語がG.I.編に移行しクラピカ視点からのノストラード組の描写が激減したためまるでわからないのだ。
エリザに関してはスクワラの死で大きなショックを受けているため元々辞めたがっていたノストラード組に残る理由なんか一ミリも無いので高い確率で組を抜けているだろう。
立ち直り他の誰かと結婚したか、そのまま独身を貫いたか、はたまた自死したか。
暗い未来も想像できてしまうのが辛いところではある。
そして犬について考えられるものとしては
①逃がされた犬は臭いを辿りノストラード組の誰かに接触・保護されエリザに引き取られた。
②スクワラが逃す前に命令してエリザの元へ。
③犬は帰還するが憔悴しきったエリザはそれどころではなく組の方で保護。
④犬は全て組の手で処分、もしくは野良犬に。
など色々考えられる…が犬が組に滞在している描写は今のところないため組で保護している線は薄いので③は無いだろう。
なので野良犬になっているかエリザが引き取っているか、組によって処分されたかのどれかだろう。
マフィアとはいえそこまで非道な組織でも無いので引き取り手を組の方で募った可能性も高く、処分という線も薄いかなとは思う(というか思いたい)。
一番丸いのはエリザが引き取り犬たちとともに暮らすルートだがエリザの精神状態次第とったところだろうか。
できれば①か②のルートであって欲しいところだが…
一番嫌なルートは死んでいる可能性が高い(クロロのスキルハンターから消えているため)とされるネオンの死にエリザが関わっていること。
ネームドキャラの中ではネオンを殺せる&殺しそうな人物としてはノストラードとエリザが一番ネオンに接近しやすく動機もなくはないと言える。
発狂したエリザがスクワラの死を組織のボスであるネオンのせいだとして手にかけている可能性も無いとは言い切れない。
眉唾な考察だなとは思うが。
(そもそも個人的にはネオンは除念されてスキルハンターから消えただけ説を推しているので)
まあ願望でしかないがエリザにはスクワラの犬を連れて組を抜けてどこかで静かに暮らしていて欲しいなと思うところである。