人の心の光を令和に見た 機動戦士ガンダム 水星の魔女 最終回 感想

スレミオ アニメ

水星の魔女最終回が良すぎて衝動的に書きなぐります

最高でした

正直なところスレッタ、エリクト、プロスぺラ、5号の内誰かは犠牲になるだろうと思っていたからこそこの可能な限りハッピーにしてやったぜ!みたいな渾身のエンディングに感無量。

あまりにも視聴者のこうなって欲しいなあが詰め込まれてて「ガンダムってこんなに優しかったっけ…」と後ろめたいようなくすぐったいような不思議な感情で満たされてしまった。

歩んだ道がどれだけ絶望で敷き詰められていても救いはあったんだ…

スレッタにしかできないこと

ガンダム各作品のオマージュを随所に散りばめてきた水星の魔女。

最終回にあってなお、むしろより力強く歴代終盤のオマージュを盛り込みつつそれらをちゃんとハッピーエンドに向かうためのファクターとして機能させてくれたことに制作陣のガンダム愛を強く感じた。

光の粒子になってガンダムが解けていく謎現象もエリクトがキーホルダーになる現象も懐かしき宇宙世紀っぽさあるオカルト染みたそれではあるものの、そこに変な理屈をつけたり説明を挟んだりせずに「スレッタにしかできなかった(スレッタだからできた)」という簡潔で力強い答えを渡されたら納得するしかない。

かつてアムロが、カミーユが、ジュドーが、歴代の主人公たちが機体の限界を超えた奇跡を引き起こしてきたことも彼らだからできたことなのだ。

僕らは結局戦場の外から奇跡を見た目撃者だからその現象にこじつけたような理屈をつけてしまうけれど、それはきっと無粋なのだろう。

今回のスレッタが起こした奇跡も同じだ。

一部の人間が戦場の中に見た不可解な現象、都市伝説のように後の世に語られるなにか、歴代ガンダムで起きたそれらがアムロを初めとする主人公たちにしか起こせない奇跡だったように、水星の魔女最終回で起きたこともスレッタだから起こせた奇跡だったのだろう。

歴代ガンダムすらも飲み込みやすくする気持ちのいいアンサーだった。

歴代のあれこれもそうだけど一瞬の奇跡への理屈とか理由づけは野暮なんだよな
これでいいんだよ

プロスぺラの赦しと罰

あくまで家族の物語であり続けた水星の魔女らしい決着のつけ方も素晴らしい

「プロスぺラとスレッタの対話」は子と親の呪縛を描くなら避けられない命題であり、難敵との戦闘ではなくこの親子対決を最大の山場に持ってきたことがもう本当に嬉しかった。

母に言われるがままだった子供が母に背き自分のやりたいようにする
そして母の気持ちに寄り添い家族としての優しさで肯定する
なんて優しいんだスレッタ…

プロスぺラを拒絶しエリクトごと葬る展開だったら次の新作ガンダムが出るまでモヤモヤしていたことだろう。

スレッタが優しいまま成長してくれて本当に良かった
プロスぺラさんあんたの娘さん立派に独り立ちしましたね…

この手のキャラクターに対する罰だけでなく赦しもちゃんとしてくれたことが本当に嬉しい。

自分に赦しを与えるスレッタ達と触れ合うたびに自分の罪の重さを実感し押しつぶされそうになるであろう日々は罰であり、だがその一方でスレッタ達家族の支えが僅かな救いになるであろう優しい結末…

怒りと憎しみに囚われた長い闘争の日々が終わりを告げたような、呪いが解けたような表情にウルっときちゃった…

それはそれとして車いすに乗りどこか年老いた雰囲気になっている姿と牧歌的な風景も相まってエピローグに∀を重ねたり…

シャディクという痛み

各々が理想的なハッピーエンドに進む中一人拘束されているシャディクが印象に残る。

元々の罪がただでさえ重いのにクワイエット・ゼロの罪も被ったことで恐らく極刑は免れられないであろうに本人の表情がどこか晴れやか。
(それが死刑なのか、懲役ウン百年みたいなやつなのかぼかしているところも良い)

シャディクはシャディクなりに生き抜き満足したのだろう
ミオリネへの「さようなら」はもうこの先ミオリネと会うこともないまま牢の中で一生を終える男なりの決別の言葉に聞こえる。

最終回唯一棘のように刺さる痛みを感じた瞬間だった。

本人はきっと至って満足で後悔なんかなくて、余人には理解できないところにその心を置いているんだろうな…

個人的には対立関係にあったシャディク・ガールズがミオリネのSPになっていたのが好き。
シャディクが愛した女を守ってあげてるガールズの構図にシャディクと彼女らの深い絆が見えるしどんなドラマがあったのか見たくなる。

僕らの5号

そして5号くん

「うっかり最終決戦でファラクトに乗ったら間違いなく死ぬから乗らないで欲しいし生き残ってノレアのスケッチの場所を探す姿をエピローグで見せて欲しい」と思ってたらマジでファラクトに乗らなかったしマジで生き残ってスケッチの場所をエピローグで探していた。

強い

生きるのが上手いだけでなく視聴者のニーズにもきっちり応える優秀すぎる男…!!

スケッチの場所を見つけたらどこを見るでもなく誰かに告げるようにふわっと本当の名前を名乗って欲しい。
まさかこんなにこのキャラを好きになるなんて初登場の頃は思いもしなかったな…

スレミオ?結婚したよ

そして何よりも…

スレミオ!!

結婚おめでとうございます!!

結婚したと作中で明言はしてなくても互いに指輪をして腕を絡めながらぴったりとくっついてる二人のそれはもういちゃついてる夫婦。

しかもミオリネから腕を絡めてベタベタしてるのが最高。
あのミオリネがだ。

直前までシリアスな話しながらずっと表情が険しかったのにスレッタの顔を見た途端表情が和らいでゼロ距離でいちゃつきはじめるの素晴らしいよ。
しかも前までは人前でスレッタといちゃついたことなかったのに今や堂々と…!
あのミオリネがだ。

夫婦だからそりゃ当然かもだけど
変わったねえ…!!

宇宙を漂うスレッタを助けにミオリネが駆け付けるシーンはF91のようであり新訳Zのようであり…なにより1話のミオリネを助けにスレッタが駆け付ける場面との対比が効いていて良かった。

無事を確認し誰にも見せたことが無いくっしゃくしゃの笑顔を見せるところにスレッタという存在の大きさが伝わってくる。

人前でこんなにおんおん泣くことなかったものミオリネ。

くしゃくしゃの涙だらけの笑顔を見せるのもボロボロの姿をさらけ出すのもゼロ距離でいちゃつくのも抱きしめるのも背中に身を預けるのもメールを一日三回要求するのも全部スレッタにだけ。

ミオリネさんスレッタを好きすぎる

罪を問い罰を要求するだけの痛みしかない結末ではなく多くの人間に支えや救いを残すような優しい結末はミオリネにとっても例外じゃない。

スレッタとの日々がミオリネの罪の清算の日々に救いと勇気を与えてくれるんだろう
これまでもそうだったように

本当におめでとう
これから一生寄り添って歩き続けてくれ…

「目一杯の祝福を君に」

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