「まあいわば君の先輩だ。わかったら刀をおさめてくれねーか?」
ヨークシンシティ編にて初登場したノストラード組の一員にして記念すべきクラピカ念能力初お披露目の対戦相手。
そしてB.W.号編から銃火器の脅威度が上がった影響による再評価を受けた何名かの人物のうちの1人でもある。
そんなトチーノについて。
人物像
陽気な顔をした細身の青年。
(正直初めて見た時は「ル⚪︎ン…?」なんて思ってしまった。)
クラピカやセンリツらと同じくノストラード組の契約試験を受けに来た…と見せかけてその正体はノストラード組の一員にしてプロハンター。
クラピカ達を試すべく念能力を使って試練を与えた。
軽薄そうな見た目をしているがオークション会場から仲間を逃すため(厳密には外にいる仲間に非常事態を知らせるため)率先して盾になろうとするなど与えられた仕事を全うしようというプロ意識の強さを数少ない描写から読み取ることができる。
ノストラード組としてはクラピカ達の先輩にあたるがその交流はほとんど描かれることがないまま出番を終えてしまった。
幻影旅団の恐ろしさを読者に知らしめるための犠牲となったがもし今も生きていたら場の空気を和ませたりしてくれる飄々キャラポジションで結構人気になったんじゃないかな…なんて思ったり。
正直退場した時いきなりすぎてショックだったよトチーノ…
クラピカと相性良さそうだななんて思ったりもしたのによ…
経歴
????年
ハンター試験に合格しプロハンターになる。その後ノストラード組に加入。(逆の可能性も有)
1999年7月中旬
ノストラード組の雇用試験でクラピカ達を試すためノストラード側の人間として潜むもクラピカに能力を見破られ降参。
1999年9月1日
ヨークシンシティで行われた地下競売にイワレンコフ、ヴェーゼと共に競り担当として参加。
地下競売に潜り込んでいた幻影旅団らの襲撃に遭う。
フランクリンのダブルマシンガンが発動した瞬間ヴェーゼとイワレンコフの盾になるべく自身のイレブンブラックチルドレンを発動し防御を試みるも想定以上の威力を持つダブルマシンガンの前に敗北。
ヴェーぜとイワレンコフをダブルマシンガンから守ることには成功したもののトチーノ本人は無数の念弾を全身に浴びて死亡。
死体はシズクのデメちゃんに吸われる形で跡形もなく処理された。

能力
「風船黒子よオレをガードせよ!!」
放出系能力者
能力名 緑の下の11人
持ち運んでいる手のひらサイズの風船にオーラを流し込み人間大サイズに巨大化させた黒子を操る能力。
要人警護向きであり、トチーノ自身の仕事にもマッチしている良い能力じゃないかなと個人的には思っている。
人間大サイズのオーラの塊を11体分も操作することができるが、黒子に与えられる命令は「一番近い敵を攻撃しろ」「オレをガードしろ」など単純なもののみ、扱える範囲は数メートルと基本的に近くに自分がいる形での運用に限定される。
また黒子には剣や銃などの武器を持たせることも可能。
ノストラード組の試験では黒子がシャンデリアに乗ったクラピカ目掛け地上から闇雲に剣を振る様子からあっさりと能力を看破されてしまうくらいにはすっごいシンプルなアクションしかできない模様。
しかし武器を持たせられるというメリットは甚だデカく、銃火器が有効であるということが発覚した今この能力の評価が個人的にかなり上がっている。

念能力者相手にも銃が十分脅威になりうることを考えればこの能力を発動し使い捨ての黒子に銃を持たせてバンバン撃たせてれば場合によっては敵を完封することだって可能になり得る。
(鎖で弾丸を絡めとるクラピカとかいうおかしな奴や弾を受けても問題なくノーダメージな化け物もいるが…)
特筆すべきはその防御力だ。
フランクリンのダブルマシンガンをイレブンブラックチルドレンでガードしようとした時トチーノはこう言った。
「機関銃のたかが一発一発がなんて威力!!」
ダブルマシンガンによる遠距離攻撃の発動を見るや否や瞬時にイレブンブラックチルドレンを発動しようとしたこと、そしてこのセリフから考えて「普通の機関銃程度ならイレブンブラックチルドレンで防ぐことが可能」と思考していたことが考察できる。
機関銃なんて並の念能力者なら結構な大ダメージを負いそうなことを考えればこれを防げるというのは大きすぎるくらいの強みだろう。
しかも「たかが」と来た。
それなりの実戦経験も積んでいそうなベテラン感を感じるハンターであり念能力者だったが相手が悪すぎた。
しばらくは自由度の低い人形を操るしょぼい能力、くらいだった評価が後年「銃を持たせることもできるし通常の機関銃くらいなら防げる攻防どちらも兼ね備えた良い能力」くらいにまで激変した能力である。
もし今生きていたら…
トチーノが今生きていたら地味に活躍できたんじゃないかと思う。
それくらい現環境に適応できる能力だったと個人的には考えている。
現在進行しているのはB.W.号編、もしトチーノが生きているなら彼もプロハンターなわけでバショウやセンリツのようにクラピカから協力を要請されて船に乗り込んでいた可能性がある。
それぞれが担当王子の警護任務についておりその場所は主に王子の私室内と範囲は狭い。
これほどトチーノの能力が刺さる環境があるだろうか。
暗殺を狙う敵も入り混じった味方の少ない室内環境、手持ちのカードは多いに越したことはない。
王子がそれぞれつけることのできる護衛の人数が制限されている以上頭数をローコストで増やせる能力なんて便利もいいところ。
しかも機関銃くらいなら防げる防御力を備え武器まで持たせられるとか要人警護の申し子みたいな存在だよトチーノ。
でもあの船の中には結局幻影旅団やらツェリードニヒやベンジャミンのような未知数の強キャラやらエンカウント=死な連中がウヨウヨしているので仮にヨークシンシティで生き残って奇跡的にB.W.号編に参戦するような世界線があったとしてもトチーノの墓場がこの船の上になるだけだとは正直思うけど。
キャラ的にも能力的にももっと活躍できるポテンシャルあったんじゃないかな、でもどうせ酷い死に方するだろうけどね、というだけのお話である。
悲しいねトチーノ