ウボォーギン(HUNTER×HUNTER)について

ウボォーギン 漫画

何よりも強く ただ強く

HUNTER×HUNTERの中でも屈指の人気を誇る幻影旅団の一人。
クラピカが最初に闘った旅団メンバーということもありかなり印象深いキャラクター。

劇中登場人物に与えた影響は大きく死んでもなお今だに重要人物として本編内で焦点が当たる。
過去編の解禁により旅団にとって替えのきかない大きな存在であることも明らかに。
そんなウボォーギンについて色々並べ立てたり語ったりしていこうと思う。

人物像

幻影旅団創設メンバーの一人にして役割は特攻。

クロロ曰く「死ぬことも仕事の一つに含まれる」「進んで捨て石になることを望んだ」

乱戦だろうが強敵だろうが喜んで闘いに飛び出していく戦闘ジャンキー、そしてゴリラ。
見た目があんなオラオラなのでルール無用かと思いきや意外と時間にはうるさく遅刻してきたノブナガやフランクリンとよく揉めることもあったらしい(フランクリンが遅刻するのはなんだか意外だけど)。

流星街時代から旅団、そしてクロロの精神的支柱ともいえるくらい大きな存在であり彼を喪ったことが幻影旅団というチームに大きな影を落とすことになった。

読者の多くもウボォー死亡後のあれこれを見て「え…こんな仲間想いだったんだこいつら…」となっていた(はず)
少なくとも僕はなった。
ヒソカと同じくらい頭のおかしな奴らの集まりだと思っていたから。

でもそんなことはなかった、そんなことはなかったんだよクラピカ…

過去編からクロロや旅団メンバーとの関係を考えると実質副団長のような存在だったな、なんて思ったりも。

経歴

ウボォーの髪
アフロで暴れていた時期があったという揺るぎない事実。クルタ族とやりあった時は流石にアフロじゃなかったと思いたい

1984年 流星街にてクロロ含む後の幻影旅団創設メンバーと共に劇団を結成…その最中メンバーのサラサが惨殺。犯人を見つけ報復するための準備を行う。この時ウボォーによってリーダーをクロロに指名

1987年 準備を整えたクロロを中心に旅団結成。旅団としての在り方がクロロから定義される。
「蜘蛛では…」

1994年 幻影旅団によるクルタ族虐殺

ウボォーはクルタ族という名にピンときていなかったがクラピカの緋の眼を見て「ありゃあ大仕事だった。あいつら強かったな…」と思い出す。

クルタ族の殺され方は残酷そのものであり旅団が恨みのない相手にここまでやるか?と言う違和感がある(無関係な人間を殺すこと自体には違和感がないが拷問染みたそのやり口はお宝を奪うための行為というよりかは報復のような印象)。
今だに謎が多い事件。

1999年9月2日 ヨークシンシティにて地下競売襲撃。
マフィアの兵隊や陰獣と交戦後クラピカにより捕獲。フィンクスら旅団メンバーの助力で脱出するもその後再びクラピカと接触。交戦の末敗北、死亡

戦闘力

かなり強い。とにかく強い。

パワーと肉体の頑強さは人間の登場人物の中でもトップクラス。
(というかキメラアントと肉体スペック遜色ないのでは…?)

バケモノ揃いの旅団腕相撲ランキングでも堂々の一位。
ヨークシンシティ時点とはいえあのゴン相手に利き手と反対の腕で互角の勝負をしたシズクが12位(下から二番目)と考えると大分ヤバい。

一時期は戦闘の基本である凝を怠ったことから(クラピカが巧みだったととれなくもないけど)評価が下がったりしたこともあったが継承戦編が始まってから作中における銃火器の存在感が増したことによりその強さの評価もうなぎ上りに。

強化系能力者
能力名超破壊拳ビッグバンインパクト

硬でオーラを集中させた拳で放つパンチ。
マチ曰く「ぶっちゃけると念を込めただけの右ストレート」でありゴンのジャジャン拳のグーとほぼ似たようなシンプル技。
しかしその威力は小型ミサイルと同等。
なにを言っているんだ…?

不安定な姿勢からでも地面にクレーターを作るほどの威力。
これを受けてもクラピカは案外大丈夫だったわけだが、『絶対時間』発動中とはいえ本気ビッグバンインパクトを受けて腕の骨折程度で済む旅団キラークラピカが大概おかしいのであってウボォーが弱いわけではないと言っておきたい。

考えなしにパワーでねじ伏せるだけの脳筋かと思いきやビッグバンインパクトを確実に当てるために土埃で目くらましをした上で隠を使い気配を絶った状態で背後から奇襲したりと案外工夫しながら闘っている。

何度も言うが本当に相手が悪かった。

これほどの破壊力の発を見せたのは精々ネテロ、メルエム、ゴンさん、ユピーくらいと考えると…こいつら作中最強クラスのメンツなのでここに肩を並べるようにウボォーの名前が挙がること自体とんでもない。

核ミサイルと同等の威力までビッグバンインパクトを高めることがウボォーの目標だったらしいが大変狂ってる。
本人が多分いたって真剣だったであろうことも含めて。

そもそもビッグバンインパクトがどうとか以前にそれ以外の攻撃一つ一つが必殺技に値する威力であったり並みの攻撃はまるで通さない硬すぎる防御力とお前本当に人間か?と疑いたくなる肉体スペックと念能力者としての練度の高さを誇っている。

  • 拳銃のゼロ距離射撃を歯でキャッチ
  • 意識外からのスナイパーライフルによる狙撃をモロに頭部にうけて傷一つなく「って~」の一言(その後遥か彼方のスナイパーめがけて小石を投げて殺害。環境闘法がすぎる)
  • 戦車も一発でオシャカにしちまうスーパーバズーカ砲を片手で防ぐも「さすがにかなり痛ぇな」と精々かすり傷程度のダメージ
  • 念を込めた蚯蚓のパンチで口から出血…が殴った蚯蚓の拳が砕ける
  • 大声を上げただけで防御に特化した豪猪の鼓膜を破壊、殺害
  • オーラを込めたであろうダルツォルネの刀を纏の状態で折る

上記を眺めればウボォーのスペックがいかれてるのがよくわかる。
継承戦編で口径数の大きな銃による攻撃が念能力者にも有効である証言や描写が増えたことも相まって大分おかしい。

ウボォーが暴れてた頃は「まあ強いやつはこれくらいのことができるってことだろうな」と思ってたら実際にはとびっきりいかれた勝負を序盤に見せられていたというだけのこと。
そりゃノブナガも「あいつが戦って負けるわけがねぇ」って言うよ。

まさしく強化系の到達点とも言うべき戦闘力

クロロとウボォー

始めは ただ欲しかった

漠然と何かが欲しいと思ってはいてもそれが何なのか明確にできないまま渇いた日々を過ごしたウボォーに自分がやりたいことを明確にさせるほどの衝撃を与えたクロロという少年。
キルアにとってのゴンがそうであったように、ウボォーにとってのクロロは光だったんだろうなと思う。

流星街で領土を主張しチンピラごっこに興じていた個を一つの形にまとめたのはクロロの才能であり、ウボォーの劇団に対する真面目さだろう。
ウボォーは確かに劇団もとい幻影旅団を大事にしていた。
けれどもそれは多分クロロあってのものだったんじゃないだろうか。

「お前が頭なら、オレは死ぬまでついていくよ」
このセリフからだけでもウボォーのクロロへの感情の重さが伝わってくる

「頭(クロロ)を最優先に生かす必要はない。生かすべきは個人ではなく旅団クモというクロロの教えに反するだろうがウボォーはクロロという個を生かす選択をとるだろうなと思う。
フェイタンに「クモへの侮辱ね」とキレられて旅団を二分する大戦争が勃発するかもしれん。

「ハッキリと欲しいモノややりたい事があるってのは格別だな」
「ウボォーさんのやりたい事って…?」
「お前と劇で世界中巡って、世界一の悪役になること…だな」


このウボォーの夢はやがて(世界一かはともかくとして)歪んだ形で叶うことになってしまったわけだがお陰で大量に無関係の人間が死んでいるのでもうしんどくて最悪である。
ゴンがキルアにとっての光であり殺し屋稼業とは違う生き方を歩いていく仲間になれたようにクロロとウボォーもそうだったはずなのに…

カタヅケンジャーのレッドがゴンにそっくりな見た目してるのも皮肉っぽくてつらいっす…

クラピカとウボォー

「およそ関わりの無い人間を殺す時…お前は、お前は一体何を考え何を感じているんだ?」

「実に不快だ。手に残る感触、耳障りな音、血の臭い、全てが神経に障る。なぜ貴様は何も考えず!!何も感じずに!!こんなマネができるんだ!!答えろ!!」

クラピカがウボォーに怒りと共に吐き出した言葉だが幻影旅団結成エピソードが解禁されたこの今見返すとまた違う読み味が出て趣深い。

この感情はサラサを殺した犯人に対してウボォーが少なからず感じていたことではあるはず。
もしかしたら犯人に報復をした時同じように投げかけていたかもしれない。

しかしこのクラピカの言葉にウボォーの感情が揺れたとは全く思わない。
何か感じたか?と言えば「別に何も」だろう。

かつては理解できる場所にいたはずなのに今は絶対に交わらないところにお互いがいる虚無感が過去編の開示により新たに味付けされ正直ごはんが美味しい。

社会から無いものとして扱われ奪われ続けたことによる諦観、絶望、怒り、その果てに他者を奪う事への無感情へと辿り着いてしまったであろうウボォーにはもうまるでクラピカへの共感も理解もできないしするつもりもないってことだろうなと個人的には考えている。

「オレの一番の喜びってヤツを教えてやろうか?おめェみてェなリベンジ野郎を返り討ちにすることだ!!」

お前自身がリベンジ野郎だったじゃねえか!!びっくりだよ!!

報復から始まった旅が自分たちの行いに対する報復で幕を下ろす。
美しい最期だよウボォー

葬儀も派手だったしね!

ウボォーとクラピカ
真剣な表情でオーラを漲らせながら酔っ払いの立ちション終わるの待てるのクラピカくらいだよ

マチとノブナガ

そういえば過去編でウボォーとマチが兄妹みたいなコンビを披露してくれてたけどこれによってウボォー死後のマチ&ノブナガチームに「2人ともウボォーとコンビだった」という意味がもたらされましたね。 

ウボォーと鎖野郎をめぐるトークでどんどん険悪な空気になるウボォーの元相棒二人…

そもそも過去編が始まるまでマチがウボォーとコンビ組んでたとは思ってなかったし、コンビじゃないからこそウボォー消息不明の状況を冷静に見れていたのかな(ほとんど勘に基づいた発言だったけど)と考えていたけど案外マチとウボォーの距離が近かったことが判明したことにより感情を奥底に沈めて冷静にあろうとしているマチの姿勢が感じ取れるようになったな、と

「まあなんだかんだ言ってマチは優しいからね」

メッセージ

そして最後に。

サラサの殺害現場に残されたメッセージについて。

あれをあの場で読めたのはクロロのみ(多分)
何が書いてあるのかを聞こうとするウボォーにクロロは
「絶対…!!口にしない…!!死んでもッ」
「知りたいなら自分で調べろ!!」

と返した。

あの頃メッセージを読むことのできなかったウボォー、現在ではユダなんて言葉が口から出る程度には教養を身に着けたと思われるが果たしてメッセージを読み解くことはできたのだろうか。

どうせ碌なことは書いていない、胸糞の悪くなるような内容だろう。
もしウボォーがこのメッセージを解読していたとして、一体どんな感情を抱いたのか。
果たしてクラピカと同じように理解の外にいる人間への嫌悪と怒りをウボォーが抱かなかったと言い切れるだろうか。

メッセージの中身共々その辺が明かされる日は…くるかなあ
来なくても美しくて美味しいし、来たら来たで胃がもたれるほどお腹一杯になれること間違いなしだろうなあ…

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