二人、呪いを超えて コードギアス 奪還のロゼ 最終幕 感想

皇サクヤ アニメ

早くもラストを迎えた奪還のロゼ。
亡国のアキトの時の長い付き合いを思えば約四ヶ月できっちりと終わりを見せてくれたこと自体に「おぉ本当に終わったのか…」と変な方向での感動を覚えたり覚えなかったり。

てなわけで肝心の内容についてだが…

いや思ったより綺麗に終わらせたかなと。
それも想像していないタイプの終わり方で意表を突かれた気持ちになってちょっと嬉しくもあり。

ただ不満がないわけでもなく、手放しで最高!!と言えるものでもないかなというのが正直なところではあるが。

とりあえず…
あと一話欲しかったな…!

それはそれとしてアッシュとロゼの物語としては良く纏まっていたと思う。
それぞれのカルマを超え決着をつけるための物語としてみるとかなり綺麗。

特にギアスに対して呪いでも誓いでもない、ルルーシュとスザクとは異なるアッシュとロゼ二人だからこその解答を出す場面はギアスらしいシチュエーションの再現も相まってシリーズ屈指の名シーンに仕上がっていたと思う。

あの美しいシーンだけでも本作には十分な価値があるだろう。

また、最後までちゃんと二人を「ナナシの傭兵」として取り扱ったところもかなり好感度が高く、ラストから逆算してこの二人の異名を名付けたのかな?と思うほど綺麗に帰結していて良かった。
二人の物語としては素晴らしい着地を見せてくれたと言えるだろう。

あとはノーランド周りも結構良かったかなと。
正直なところその正体は予想通り(というかまあお前くらいしかいないだろうし…)だったので驚きはなかったわけだが、ノーランドの目的のぶっ飛び具合には結構「えぇ!?」とさせられてそこは気持ち良かった。

出るアニメ間違えてない君?とは思ったけど。
ただシャルルもシュナイゼルもルルーシュもそれぞれ世界に対して思うところがあり彼らなりのアプローチで救済をしようとしていたのに対してこのノーランドという男は明確に人類にとっての物理的スケールデカすぎラスボスをやってて「ギアスでこういう奴珍しくない?」と新鮮なものを見れて面白かった。

もうわかりやすくて良かったよ。
人類の敵ノーランドを倒さなければ!!って方向に突き進んでて。
(やはりあらゆる手段を使ってスザクを早期にホッカイドウに行かせてネオ・ブリタニア壊滅させとけば良かったんじゃ…とか思ってはいけない)

尺が短い分ノーランドの掘り下げは少ないしそもそも全然自分のこと語らんしどうしてその野望を抱くようになったのかも明らかにされていないのだがノーランドの出自やその後の彼の扱い、その他諸々散りばめられた情報からなぜこの凶行に至ったのかが何となく汲み取れるようにもなっていてそこも面白かった。

(細かい経緯が不明な以上勝手な思い込みをこちらが抱いているだけかもしれないが…)

パンフレットに書かれてるノーランド関連の情報なんかも照らし合わせつつ各々考察すると面白いキャラである。

ノーランドとルルーシュ
色々ノーランドの心情が気になるポイントはあるがその中でも特に皇帝ルルーシュ時代どんな気持ちだったのかが一番気になるところ。

無機質なあの男が何故ギアスを求めたのか、そしてどんな感情でラウンズの座についていたのか、どんな気持ちでアッシュと向き合っていたのか、明言されていないことが非常に多く、「わからない」という感情をこちらに最後まで抱かせたままでいてくれる面白くももどかしいキャラで個人的にはロゼに並んで好きな男になったなと。

とまあ概ね最終幕良かったかなという旨をここまで書いてきたが、全く不満がなかったかといえば嘘になる。
ちょっとポイント毎に気になる箇所というか、引っ掛かりを拭えないまま終わったなと思う部分も多くそこが惜しかったかなというのが正直なところ。

まず歴代キャラについて。
3幕で大量参戦を匂わせたスザクをはじめとする歴代キャラ、最終幕でロキを相手に奮戦する姿が拝めるかと思いきやかなり淡白な描写で終わってしまいちょいと肩透かし。

いやこれは勝手に過度な期待をしたこちらが悪いんだけれど。
それにもしゲストキャラの活躍をふんだんに取り扱っていたらナナシの傭兵や七煌星団に割かなければならない尺が更に削れて奪還のロゼという物語自体に弊害が生じかねないので本筋に絡まない面々がこの扱いだったことに納得はしているのだがやはり派手なお祭りが見たかったなという気持ちに嘘はつけねえのである。

世界の危機に彼らが立ち上がる描写がないのは非常に不自然だしファンの中に大きなモヤを残しかねないポイントなのでスザクやアキトを出したことは英断かつありがとうなんだけどそれでもやはりもう一声…

何故アキト達が日本にアレクサンダを持ってきてたんだ?(というか現役運用してるんかい)とかスザクよその白に金ラインのいかにもランスロットすぎるカラーリングに両手剣はいくら機体がランスロットじゃなくても世間体的にあかんやろとか一瞬映った強すぎるカレンに「お前がホッカイドウ行ってこい!!」と言いたくなったりと短い出番ながらに結構目を引くフックの強さは凄くてまあそれなりに楽しくはあったんだけど。
とりあえずゲストキャラ周りの裏設定早く見せて欲しいです。
普通に色々気になるので。

そして一番の不満点はサクヤとサクラの描写不足感について。
これは深く言及しすぎると致命的ネタバレに触れそうなのでサクッといくが、奪還のロゼってアッシュとロゼ「ナナシの傭兵の物語」という軸があったとすればその横に「サクヤとサクラの物語」という軸もあったと思うのである。

サクヤの語る「奪還」にはサクラも含まれており1幕から最終幕の序盤くらいまでは物語、そして何よりも主人公ロゼを動かすための原動力の一つとして彼女が機能していたはず。
ところが本作の中盤くらいからその気配が消えるのである。
厳密には消えたというより存在感が限りなく薄くなる。
さながら幻のシックスマンである。

尺不足による描写カットなのかそれとも最初からこうする予定だったのかはともかく、サクヤを動かし続けたかなり重要な軸が一つ損なわれてしまったように感じてそこがすごく残念でならなかった。

あと一話あれば…と思わずにいられなかったのもこれが最大の理由である。

しかし二人に∀ガンダムのディアナとキエルのイメージを抱いていたせいで∀的なラストがこの二人の運命なんだろうと勝手に思いながら見ていただけにそこから大きく外した結末をこの二人に与えてくれたことはかなり好印象。

サクヤの迎えた結末自体はすごく良かったので僕の心は暴動を起こさなかったがやはりサクヤとサクラ周りは円盤なり小説なり何でもいいのでフォローが欲しいかなというところである。

まあ良かったところについても不満だったところについてもこれ以上書こうとすると結末に大きく触れかねないのでまた別の機会に触れることができたらなと思う。

とりあえずやや駆け足感はあるし気になる部分はところどころあるものの概ね面白かったんじゃないかなと思う。
興奮冷めやらぬ!!みたいなテンションにまではならなかったもののちゃんとギアスの世界の続きを楽しめて嬉しかったし。

改めていうがナナシの傭兵の物語としてはちゃんと綺麗に着地しているしね。
あの結末や決断へのファンの賛否はさておくとして。

とにかくあれほど綺麗に終わった復活のルルーシュの世界を継承しそこに戦乱をもたらして物語を生み出すという行為はかなり気を遣う仕事だったと思うし(それもまさかの日本!大胆!!)、そこにちゃんと魅力あるキャラとメカを動かし一つの物語とともに年表を勧めてくれたことはシリーズにとっても非常に意義のある挑戦になったんじゃないだろうか。

何よりあの木村貴宏さんの訃報、コロナ等の社会情勢の影響によるスケジュールとタイトルの変更などしんどすぎる状況下で奪還のロゼを完成させてくれたことはイチギアスファンとして感謝しきれない。

いくつかの不満点を漏らしたものの総括としては「楽しかった」
これに尽きるだろう。

ロゼ
なんだかんだロゼ(サクヤ)に愛着湧いてたので会うことも当分ないだろうなと思うと寂しい。いつかどこかでまた会いたい。スパロボとかで

そして奪還のロゼにの更に向こう、年表を一歩進める新作アニメーションが今後も続いて欲しいなと願うばかりである。

いやマジで。

続けよコードギアス!!

その度に「何やってんねんルルーシュ!!」と言われるとしても!!

ガンダムくらいめちゃくちゃ続け!!

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あんたい

アニメ、漫画など創作物が好きです。
好きなものや観たものなどについての感情や感想を記録していく場にしたいと思ってます。
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